著者
杉田 満 市川 裕佳子 繁田 明
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.337, 2002

一般家庭においてフローリングと総称される木質系床材が標準的な床材として定着してきているが、手入れ剤による拭き掃除は、材質への影響等の懸念から積極的には実施されていない傾向が見られる。そこで、15歳以下の子供のいる家庭を対象に掃除実態調査及び現場観察を行った。その結果、調査対象の半数近い家庭で、手入れ剤を使用した拭き掃除が日常的には行われておらず、その理由として、床材への影響懸念や水拭きだけで汚れは落ちているという意識が見られた。拭き掃除が不十分と見られる家庭では、汚れ残留によるつや低下や黒ずみが見られる傾向がある一方、床面の損傷(微細ひび割れ)は紫外線·暖房機器類の影響を受けやすい場所で顕著であり、拭き掃除の影響は小さいものと考えられた。以上から、フローリング床材には場の汚れに合った湿式手入れの必要性があると考えられた。