著者
繁田 明義 内山 善康 橋本 紘行 持田 讓治 新福 栄治 大見 博子
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.907-910, 2011 (Released:2011-12-21)
参考文献数
16
被引用文献数
3

Many studies have reported treatment effects of H2 receptor antagonists (H2RA) on calcific tendinitis (CT) of the shoulder. The purpose of this retrospective study is to compare the clinical outcome between the cimetidine and the famotidine of CT of the shoulder. We studied 72 patients with CT of the shoulder who were closed with H2RA (cimetidine or famotidine) and loxoprofen sodium from 2005. They were treated as follows, 41 with cimetidine and loxoprofen (group C) (14 males, 27 females, average age 54.3 years old) 17 with famotidine and loxoprofen (group F) (10 males, 7 females, average age 58.4 years old) and 14 with loxoprofen(group N) (8 males, 6 females, average age 60.2 years old). Shoulder joint pain was assessed by using visual analogue scale (VAS), and the site and size of calcium deposits were calculated by X-rays (frontal view and scapula Y). In addition, influences of the complicating diseases (diabetes mellitus and hypertension) were evaluated for treatment effects. Groups C and F improved their pain and decreased calcium deposit size more than group N (p<0.05). However, the pain and calcium deposit size was not significantly different between group C and group F. Diabetic patients reduced the effectiveness more than non-diabetic patients in groups C and F. Hypertensive patients reduced the reduction ratio of calcium deposit more than non- hypertensive patients in groups C and F. There were the same clinical results for both cimetidine and famotidine for the CT of the shoulder. Diabetes mellitus and hypertension inhibited the treatment effects of H2RA.
著者
岡井 律子 小笠原 章 繁田 明
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.213, 2003 (Released:2004-05-25)

【目的】近年、アレルギー体質の人が増加しており、家庭内のアレルゲンとしては、ダニ(糞・死骸)が知られている。ダニ対策は厚生労働省から、日常の掃除行動や住宅設備の管理等での対策が提唱されているが、主婦の家事行動との間には乖離がある。主婦のダニに対する知識や意識、対策行動の実態を把握し、家庭における有効なダニ対策を考察した。【方法】首都圏在住主婦(N=165)対象に郵送式自記入調査を実施。代表家庭(N=8)の掃除機がけ時のダスト・ダニアレルゲン除去率を測定。また1年間、同一家庭(N=6)のダニ数・ダニアレルゲン値を季節毎に迫跡調査。【結果】結果の概要は以下の通り。(1)殆どの主婦はダニを気にし、各種対策を実施中。ただし被害経験は少ない。ダニに関する知識は不十分。(2)ダニ数等の年間追跡調査から、冬はダニ数が減少するものの他の季節ではカーペットや寝具で厚生労働省のガイドライン値を超える家庭が多い。ダニ数の少ない家庭は念入りな掃除機がけを実施していた。(3)カーペットに対する掃除機がけ実施率は高いが、ダニ除去のためにはかけ方が不十分。寝具に対しては実施率自体が4割程度と低い。(4)掃除機がけによるカーペットのダストやダニアレルゲン除去率は、主婦自身の推測は約7割で、案際はダストで4割以下、ダニアレルゲンでは3割以下。布団でも取れていると思う意識よりも実際の除去率は低い傾向であった。以上より、現状の主婦の掃除方法では家庭内アレルゲンを十分除去するには至っておらず、新しい提案が必要と考えられる。
著者
高野 勝幸 鈴木 政宏 伴 武 永井 智 横須賀 道夫 岡井 律子 小笠原 章 繁田 明 吉川 翠
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.214, 2003

【目的】チリダニはふとんやカーペットに多く繁殖していると言われている。そこで、ふとん・カーペットのチリダニ/ダニアレルゲンによる汚染実態と、普段の手入れ方法・頻度との関係を把握するため、調査を行った。また、主婦による通常の手入れのダニアレルゲンに対する低減効果についても検証を行うことにより、より最適な手入れ方法についての考察を行った。【方法】(1) 居住空間内でのチリダニ/ダニアレルゲンの測定;2002年8月に首都圏在住の家庭(N=67)について、ふとんとカーペットを対象として実施した。掃除機により3min/m<sup>2</sup>で吸引を行い、採取されたダスト中のダニ数、及びダニアレルゲン量を測定した。ダニアレルゲン量の測定は酵素免疫測定法(ELlSA)により行った。(2) (1)の家庭でふとん・カーペットの手入れについて自記入調査を実施し、ダニアレルゲン量との関係を調べた。(3)手入れ方法の効果の測定;中古のふとん、カーペットを用い、手入れ前後でのダニアレルゲン量の変化を酵素免疫測定法により測定した。【結果】(1) ふとんとカーペットのダニ数/ダニアレルゲン量を測定した結果、半数以上の家庭で厚生労働省の衛生ガイドラインを上回っていることが分かった。汚染度の相乗平均値は、敷ふとんのダニ数102(+333,-78)匹/m<sup>2</sup>、ダニアレルゲン量3.7(+17.7,-3.1)<i>&mu;</i>g/m<sup>2</sup>、カーペットのダニ数358(+1435,-287)匹/m<sup>2</sup>、ダニアレルゲン量8.4(+48.1,-7.2<i>)&mu;</i>g/m<sup>2</sup>であった。(2) ダニ・ダニアレルゲンの汚染度合いには、手入れ方法・頻度と部屋の温湿度環境の双方が関与していた。温湿度環境が類似していれば、手入れ頻度との相関は比較的高かった。(3) 中古ふとんに対して、天日干し/ふとん叩きを行っても、アレルゲンの低減は見られなかった。また、中古カーペットを主婦の普段の掃除機がけ条件で処理した場合、毎日掃除の3年に相当する処理を行ってもアレルゲンを充分に除去することはできなかった。
著者
杉田 満 市川 裕佳子 繁田 明
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.337, 2002

一般家庭においてフローリングと総称される木質系床材が標準的な床材として定着してきているが、手入れ剤による拭き掃除は、材質への影響等の懸念から積極的には実施されていない傾向が見られる。そこで、15歳以下の子供のいる家庭を対象に掃除実態調査及び現場観察を行った。その結果、調査対象の半数近い家庭で、手入れ剤を使用した拭き掃除が日常的には行われておらず、その理由として、床材への影響懸念や水拭きだけで汚れは落ちているという意識が見られた。拭き掃除が不十分と見られる家庭では、汚れ残留によるつや低下や黒ずみが見られる傾向がある一方、床面の損傷(微細ひび割れ)は紫外線&middot;暖房機器類の影響を受けやすい場所で顕著であり、拭き掃除の影響は小さいものと考えられた。以上から、フローリング床材には場の汚れに合った湿式手入れの必要性があると考えられた。