著者
帖佐 浩 戸田 眞佐子 大久保 幸枝 原 征彦 島村 忠勝
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.606-611, 1992
被引用文献数
17

<I>mycoplasma</I>に対する茶エキスおよびカテキンの抗菌・殺菌作用を検討した.緑茶エキスおよび紅茶エキスは<I>Mycoplasma pneumoniae</I>に対して, 抗菌作用を示した.緑茶エキスおよび紅茶エキスは<I>M.pneumoniae</I>と<I>M. orale</I>に対して顕著な殺菌作用を示した.2%紅茶エキスは<I>M. salioarium</I>に対しても殺菌作用を示したが, 緑茶エキスの<I>M. salivarium</I>に対する殺菌作用は弱かった.プアール茶エキスの三菌種に対する殺菌作用は弱かった.緑茶から精製した (-) エピガロカテキンガレート (EGCg) および紅茶から精製したテアフラビンジガレート (TF3) は三菌種に対して殺菌作用を示し, <I>M. pneumoniae</I>に対しては特に強い殺菌作用を示した.以上の結果, 茶およびカテキンは殺マイコプラズマ作用を有することが明らかになった.