著者
藤沢 千春 玉木 彰 帯刀 未来 生島 秀樹 常峰 紘子 吉岡 聡
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.629-632, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
15

〔目的〕対麻痺を呈した化学療法中の悪性リンパ腫症例に対して,ベルト電極式骨格筋電気刺激療法(B-SES)の廃用性筋萎縮の予防効果と安全性を検証した.〔対象と方法〕対象は悪性リンパ腫による脊髄損傷を呈した症例とした.B-SESによる廃用性筋萎縮予防の効果判定として初期,中間,最終に超音波診断装置による大腿四頭筋の筋厚測定とAmerican Spinal Injury Association運動機能評価(ASIA)を実施した.有害事象は有害事象共通用語基準を用いて評価した.〔結果〕骨格筋萎縮の予防は可能であったが,ASIAの改善は認められなかった.有害事象は全ての介入期間で認められなかった.〔結語〕B-SESは化学療法実施中の全ての介入期間で有害事象を生じず,廃用性筋萎縮の予防が可能であった.