著者
常田 貴夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
pp.2013-0013, (Released:2014-01-24)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1

理論化学の研究対象において金属表面や金属錯体が主要になりつつある現在,相対論的密度汎関数法(RDFT)の重要性は増している.この方法は,多電子系の電子状態を金属を含む大規模系の反応や物性を定量的に取り扱えるため,大規模金属系の理論研究においてもっともすぐれた理論の1つであることは間違いない.RDFTは量子電気力学にもとづく確かな土台をもつ理論であり,化学における相対論的計算の主要理論となっている.本レビューでは,RDFTの基礎を説明した後,最新の2成分RDFTに至るまでの具体的な道筋を明らかにする.さらには,RDFTが将来的に進むであろう道筋も示すことも目的としている.
著者
常田 貴夫 佐藤 健
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.291-296, 2009-04-05
被引用文献数
1

近年,ナノ材料科学における自己集合や生命科学における機能的構造形成など,ファンデルワールス力にもとづくマクロな現象が,広範な研究分野で注目を集めている.ファンデルワールス力は電子相関にもとづく純粋に量子論的な効果であり,なおかつ系のスケールに応じて重要性を増す.したがって,その理論的な解明には電子相関を考慮に入れた高速計算が可能な第一原理計算法が必要である.本稿では,密度汎関数法にもとづく第一原理ファンデルワールス力計算法に着目し,長距離補正法をはじめとする最新の計算法を紹介する.また,それらの手法の特長と問題点を比較し,ファンデルワールス力計算法開発において今後考えるべき指針を示す.
著者
常田 貴夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.71-82, 2014-03-21 (Released:2014-03-21)
参考文献数
36
被引用文献数
1

理論化学の研究対象において金属表面や金属錯体が主要になりつつある現在,相対論的密度汎関数法(RDFT)の重要性は増している.この方法は,多電子系の電子状態を金属を含む大規模系の反応や物性を定量的に取り扱えるため,大規模金属系の理論研究においてもっともすぐれた理論の1つであることは間違いない.RDFTは量子電気力学にもとづく確かな土台をもつ理論であり,化学における相対論的計算の主要理論となっている.本レビューでは,RDFTの基礎を説明した後,最新の2成分RDFTに至るまでの具体的な道筋を明らかにする.さらには,RDFTが将来的に進むであろう道筋も示すことも目的としている.