著者
木村 紀子 戸出 浩之 辻本 恵美 小林 さゆき 玉野 正也 望月 純二 二階堂 暁 幡 芳樹
出版者
一般社団法人 日本超音波検査学会
雑誌
超音波検査技術 (ISSN:18814506)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.32-38, 2020-02-01 (Released:2020-02-05)
参考文献数
16

症例は70代女性.胸痛にて救急搬送され,心臓CTで左冠動脈主幹部から左前下行枝にかけて高度狭窄と左室内に異常隔壁様構造物を認めた.心臓超音波検査にて隔壁は左室を2分するように基部から心尖部までの下壁中隔から下壁にかけて存在し,乳頭筋レベルで複数の切れ込みを有して心基部で大きく開口していた.さらに大動脈弁輪部左室流出路側には膜様構造物を観察し,ひも状構造物により僧帽弁前尖弁腹に繋がっていた.また多胞性膜様部心室中隔瘤を認めた.以上より僧帽弁副組織及び膜様部心室中隔瘤が併存する左室二腔症と診断した.急性冠症候群にて来院し,心臓CTおよび心臓超音波検査にて診断しえた貴重な症例と考え報告する.
著者
小林 琢 岩崎 孝俊 倉田 裕子 二階堂 暁 幡 芳樹
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12196, (Released:2022-08-09)
参考文献数
36

【目的】後期高齢心疾患患者の基本チェックリスト(以下,KCL)によるフレイル評価と30-Second Chair Stand Test(以下,CS30)の関連性を明らかにする。【方法】対象は当院の生活習慣病外来を受診した75歳以上の心疾患患者141名(男104例,79.6±3.4歳)とした。KCL総合点と体組成,身体機能(握力,CS30),片脚立位保持時間),運動習慣,運動耐容能を測定して,その関連性を解析した。【結果】KCL総合点による分類では,対象者のうち約2割がフレイルを有していた。また,CS30とフレイルは有意に関連していた(オッズ比:0.795, 95%信頼区間:0.663–0.952, p=0.013)。【結論】後期高齢心疾患患者におけるCS30の低値は,フレイル患者の特徴を表す重要な指標のひとつである。