著者
平 典子
出版者
一般社団法人 日本がん看護学会
雑誌
日本がん看護学会誌 (ISSN:09146423)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.40-47, 2007 (Released:2017-02-01)
参考文献数
18

要 旨本研究では,終末期がん患者を看取る家族が活用する折り合い方法を明らかにした.折り合いを「患者の避けられない死に直面した家族が,葛藤を解決するために活用する対処」と定義した.対象者は,緩和ケア病棟あるいは一般病棟で看病する家族19人であった.半構成的面接および参加観察法によってデータ収集し,Krippendorffの内容分析法でデータ分析を行った.結果,家族が活用する折り合い方法として,《納得のための吟味》《受け入れやすさへの転換》《面倒を避ける算段》《負担の分散》《不一致を埋める接近》《あきらめの作業》《添い方を変える》が明らかとなった.これらの方法は,看取りにおける葛藤を解決するために活用されており,状況や自分の行動を受け入れる,面倒や負担から自分を守る,可能な添い方を試みるという機能を発揮すると考えられた.
著者
平 典子 鳴井 ひろみ 本間 ともみ 鳴井 ひろみ 本間 ともみ
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

緩和ケアにおける心理・社会的ケアの向上をめざして、看護師が実践するプレゼンスの構造を調査し、その結果をもとに実践モデルを作成して介入プログラムを検討した。その結果、看護師は、常に相手に向けて自分を開くという援助姿勢を基盤とし、プレゼンスの実施方法を駆使することにより、がん患者とその家族に、気持ちを鎮める、本来の生き方を取り戻すなどの成果をもたらしていることが判明した。また、実践モデルにもとづく介入プログラムは、意図的介入として有用であることが示唆された。