著者
宮崎 充功 坪田 敏男 下鶴 倫人
出版者
北海道医療大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

本研究では、「冬眠」を長期間の寝たきり状態と仮定して、冬眠動物(ツキノワグマ)がどのような仕組みを利用して骨格筋量を維持しているのか、筋肉細胞の中のタンパク質や遺伝子の働きに注目して解析しました。その結果、骨格筋量の維持に影響を与える因子のうち、筋タンパク質合成を促進する命令系統が冬眠後の筋肉で活性化されていることや、筋肉が大きくなり過ぎないようリミッターの役割をしている遺伝子の働きが冬眠中に抑えられていること、などがわかりました。
著者
笹木 葉子
出版者
北海道医療大学
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部紀要 (ISSN:13404709)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.69-74, 2005-12-20

育児は生活の営みの一部であり、時代、文化、習慣、によって大きく左右される。育児相談ではそれら時代の変化や文化、習慣、個人の価値観等に応じて育児法の情報を提供していかなければならない。しかし、相談に応じる医療者に対する育児法に関する系統的な教育は確立されておらず、個人的見解や経験則に基づく助言が中心になっている。育児法に関する情報を科学的で統一した見解にするためには、エビデンスに基づいて1つ1つ検証していかなければならない。「子どもの睡眠」については養育者の睡眠にも影響を及ぼすため、深刻な場合が多い。この相談に適切に対応するには乳幼児の睡眠生理についての正しい知識が必要である。睡眠については、大脳の生理学や内分泌の研究の進歩によってかなり詳しく解明され始めている。本研究では、乳児期各月齢ごとに睡眠覚醒リズムの生理をまとめ、睡眠覚醒リズムの確立を促す育児法について検討した。全月齢共通に"朝は明るく夜は暗く静かに過ごす"ことを基本に、妊娠期の母親の生活リズムの調整や、乳児期の日中の授乳、離乳食、遊び、運動、タッチケア、沐浴、入浴等で生活にメリハリをつけるなど実践的な育児法に関する情報をエビデンスに基づき整理した。
著者
志渡 晃一 森田 勲 竹内 夕紀子 佐藤 陽香 山田 耕平
出版者
北海道医療大学
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部紀要 (ISSN:13404709)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.79-85, 2004
被引用文献数
2

若年者における体型意識の実態をあきらかにすることを目的として、看護福祉学部臨床福祉学科と医療福祉学科医療福祉専攻の男女学生377名を対象にアンケート調査を実施した。BMIをもとに体型を「痩せ群」BMI<20、「標準群」20≦BMI<24、「肥満群」BMI≧24の3群に分類し、特に「痩せ群」の体型意識に焦点を当てて、性別特性を検討し、以下の結果を得た。1)現在の体重をもとに算出したBMI「現実BMI」の値(平均値±標準偏差)は、男(21.6±2.6)に比べて女(20.0±2.3)で低かった。体型分類別にみると、男では「標準群」(60%)が最も多く、ついで「痩せ群」(25%)、「肥満群」(15%)だったのに対して女では「痩せ群」(60%)が最も多く、次いで「標準群」(36%)、「肥満群」(4%)の順だった。2)「現実BMI」と美容面からみて理想であるとした体重をもとに算出した「美容BMI」および健康面からみて理想であるとした体重をもとに算出した「健康BMI」の3者を比較村照した結果、男ではそれぞれ(21.6±2.6): (21.1±2.0): (21.6±3.3)と3者間に差がないのに村して、女では(20.0±2.3): (18.2±1.2): (18.7±1.8)と「現実BMI」に比べて「美容BMI」「健康BMI」で有意(p<.05)に低く、痩せ志向が窺われた。3)「現実BMI」「美容BMI」「健康BMI」の3者について、「痩せ群」を性別にみると、男では(18.5±1.1): (20.1±1.4): (20.5±1.2)と理想に向けて体重を増加させようとする傾向があるのに対して女では(18.6±1.0): (17.7±0.8): (18.1±2.0)とむしろ減少させようとする傾向を示した。4)現在の体型について「普通より太っている」と認識している率は、男(37%)に比べて女(54%)で有意(p<.05)に高かった。体型分類別にみると、男の「痩せ群」(0%)、「標準群」(42%)に比べて女の「痩せ群」(32%)、「標準群」(85%)で有意(p<.05)に高かった。反対に「普通より痩せている」と認識している率は、男の「痩せ群」(70%)に比べて女の「痩せ群」(9%)で有意(p<.05)に低かった。5)体型の変化について「現在より痩せたい」と志向している率は、男(54%)に比べて女(91%)で有意(p<.05)に高かった。体型分類別では、男の「痩せ群」(13%)、「標準群」(60%)に比べて女の「痩せ群」(85%)、「標準群」(100%)で有意(p<.05)に高かった。反対に「現在より太りたい」と志向している率は、男の「痩せ群」(47%)に比べて女の「痩せ群」(5%)で有意(p<.05)に低かった。6)理想の美容体型として、筋肉質体型を選んだ率は男(84%)、女性(52%)だった。「痩せ群」についてみると男に比べて女で細め日のシルエットを志向している割合が高かった。また、理想の健康体型として、筋肉質体型を選んだ率は男(78%)に比べて、女性(67%)だったが、「痩せ群」において性差はみとめられなかった。7)体型変化を志向する理由に関して、「痩せ群」についてみると、最も高い項目は男では「強くたくましくなりたい」(50%)、女では「体型が気になる」(59%)であった。痩せたい部分に関して最も高い部位は、男では「胴回り」(75%)、女では「もも」(70%)であった。8)ダイエットに関する情報源については、男では民放テレビ(58%)から得るという回答が最も多く、女性は週刊誌(57%)から得るという回答が最も多かった。また最も回答が少なかったものは新聞や教養書、インターネットからであった。全体に男に比べて女でマスメディアからの影響を多く受けていることが示唆された。
著者
大熊 一豊 花岡 洋一 斎藤 隆史
出版者
北海道医療大学
雑誌
北海道医療大学歯学会雑誌 (ISSN:09109722)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.15-22, 2008-06

Dental findings are useful for personal identification of unknown bodies. Especially, in mass disaster cases, the identification of bodies has been carried out by the dental association in each region. However, in usual cases, i.e., murders, accidents, suicides etc., the identifications are carried out depending on the local conditions, for example, the presence of a police dentist, agreements between the police and the dental association etc. This report describes the actual states and future prospects for personal dental identification in local areas, through four drowning cases which occurred in an area under the jurisdiction of the Hokkaido police, Kushiro area, Ikeda police station. Unknown bodies found in the area under the Ikeda police station jurisdiction, are inspected by the police dentist living in Ikeda city at the request of Ikeda police station-except for criminal cases. The inspection which is practiced in remote areas, like Ikeda city, is usually carried out at the mortuary in the local police station, without a dissecting table or ventilation. In addition, because a portable X-ray camera for post-mortem dental examination use only was not available, the police dentist borrowed a camera which is for usual clinical use. These circumstances in non-metropolitan areas need to be improved. However, at present, making an effort to utilize the newest knowledge and technology on personal dental identification through any kind of training course, practice and networks, is the best way for police dentists to get accurate results.
著者
三國 久美 工藤 禎子 深山 智代 広瀬 たい子 桑原 ゆみ 篠木 絵理
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999 (Released:1999-04-01)

本研究の目的は、乳幼児を持つ両親を対象として育児ストレスを縦断的に測定し、1)子どもの月齢に伴う親の育児ストレスの変化、2)父母の育児ストレスの違い、3)育児ストレスに関連する家族特性について明らかにすることであった。育児ストレスの測定には日本版Parenting Stress Index (PSI)を用いた。日本版PSIは、奈良間ら(1999)により開発された尺度であり、高得点は高ストレスを意味する。子どもが4ヶ月の時点で縦断研究を開始し、3歳6ヶ月まで約6ヶ月毎に計7回の自記式質問紙による調査を行った。全調査で有効回答を得た父112人、母174人を分析対象者とした統計的解析により、以下の結果を得た。1)日本版PSI総得点は子どもの月齢による差がみられ、父では4ヶ月、10ヶ月と増加し、1歳6ヶ月時が最も高く、以降減少した。母では4ヶ月時が最も低く、10ヶ月から1歳6ヶ月にかけて増加し、その後の変化はみられなかった。2)日本版PSI総得点は、父母間で差がみられ、4ヶ月から3歳6ヶ月まで常に父よりも母の育児ストレスが高かった。また、4ヶ月から3歳6ヶ月までの父母の日本版PSI総得点には有意な正相関が認められた。3)日本版PSIと家族特性との関連をみたところ、子どもの出生順位では第二子以降よりも第一子のほうが、また子どもの健康状態では良好なものよりも治療中のもののほうが、父母ともに有意に育児ストレスが高かった。また、有職の母よりも無職の母の育児ストレスが有意に高かった。父の学歴では、中学卒のものはそうでないものよりも母の育児ストレスが有意に高かった。以上の結果から、子どもの月齢、出生順位、健康状態、また母の職業の有無など育児ストレスに関連する要因を踏まえて両親への育児支援を行う必要性が示唆された。
著者
古市 保志 加藤 幸紀 中塚 侑子
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

ナタマメはマメ科の植物であり、古くから膿とり豆として知られ、漢方薬として使用されてきた。本研究では、In vitro におけるナタマメ抽出物(SBE)の抗炎症作用、マウス実験的歯周炎に対するSBEの効果、マウス実験的歯周炎とマウス実験的RAの関連性、実験的歯周炎・RA併発マウスに対するSBEの効果、に関する検討を行った。その結果、SBEの飲用によって歯槽骨の吸収が抑制されたこと、また歯周炎と関節リウマチの併発動物実験モデルにおいて関節炎の進展と歯槽骨の吸収が抑制されたことが明らかにされた。SBEが炎症性サイトカインの産生を抑制し歯周炎や関節リウマチの発現・進行を抑制する可能性が示唆された。
著者
眞島 いづみ
出版者
北海道医療大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2015-04-24 (Released:2015-11-26)

本研究ではStreptococcus(ストレプトコッカス)属細菌とVeillonella(ベイオネラ)属細菌を用いて、歯周病を代表とした口腔感染症の個体差別予防モデルの構築を目的として研究を進めている。平成28年度は、Veillonella tobetsuensis(V. tobetsuensis)が産生する細菌間情報伝達物質、Autoinducer(AI)-1、AI-2、及びCyclo-Leu-Proの産生に関与するコード遺伝子を検索するに当たり、その比較対象となる口腔Veillonella全7菌種の全ゲノム解析を開始した。更に、V. tobetsuensis由来のAI-2及びCyclo-Leu-Proを用いて、代表的口腔バイオフィルム形成開始菌であるStreptococcus gordonii (S. gordonii)に対する影響を解析したところ、いずれもそのバイオフィルム形成を有意に抑制したが、プランクトニック細胞の増殖には影響を与えなかった。これらの結果から、V. tobetsuensis由来AI-2及びCyclo-Leu-Proは、S. gordoniiのバイオフィルム形成に抑制的に働きかけ、その増殖因子は別に存在することが明らかになった。更に、Streptococcus属とVeillonella属細菌が定着しやすい個体条件の選定を進めるため、その第一段階として、健康なヒト90名の唾液を採取し、そのメタゲノム解析を行った。その結果、口腔清掃状態が悪化するにつれて、Streptococcus属の割合は減少し、Veillonella属の割合が有意に増加することが明らかになった。これらの研究成果により、Veillonella属細菌が口腔感染症の予防、診断及び治療の指標として応用できる可能性が強く示唆された。
著者
小林 健史 橋本 竜作
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

本研究は専門家の少ない地域において住民参加型授業を通して、特別支援教育体制を構築することを目的とした。我々は住民参加型授業を活用した介入を通して、教員をエンパワメントしつつ、さらに簡便かつ効率的に相談者が地域に存在する社会資源を活用しやすくするツールを作成し支援を行った。その結果、社会資源の少ない地域に合致した特別支援教育体制構築の手がかりが示された。
著者
齋藤 いずみ 遠藤 紀美恵 笹木 葉子 坂梨 薫 成田 伸 水流 聡子
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

目的:分娩時の看護人員配置の現状を把握し、根拠に基づく安全と質の保証された看護人員配置にするために、以下の4病院の分娩基礎データを収集した。地方の複数病院の分娩を集約化した公立病院の産科、専門特化した大規模産科病院2施設、混合科が進む産科の計4病院において、2003年1年間の全分娩事例約2500事例を調査した。文部科学省疫学研究の倫理指針に基づき実施した。方法:カルテ、分娩記録、助産録などからデータべースを作成し、月別・曜日別分娩数、曜日別入院数、曜日別異常分娩数、曜日別母体搬送数、曜日別緊急帝王切開数、曜日別児の体重別出生数、曜日別妊娠集数別出生数など、24時間分布としては分娩数、入院数、緊急帝王切開数、母体搬送数などを調査した。結果:月別分娩数は特に有意な差は見られなかった。曜日別分析:曜日別分娩数はハッピーマンデイ政策などにより、週の中盤に分娩が集中し、有意に人手の少ない週末は少なかった。妊娠週数の早い32週以前の分娩、出生体重1500g未満の異常分娩では、母体と児の安全のために週末に意思決定するためか金曜日に分娩が有意に高かった。特に母体搬送、緊急帝王切開では金曜日に高かった。曜日別時刻別分析では金曜日の午後から夕方までの時間帯に緊急帝王切開や分娩のリスクが高い分娩が多いことが明らかになった。24時間分布別分析:時刻別分析では、管理分娩の傾向が高い施設では日勤帯の分娩が多く、自然分娩が多く介入の少ない施設では24時間に分布していることが、統計的にも明らかになった。緊急帝王切開は人手のいない夜間帯にも少なくない現状である。考察及び課題科学的根拠に基づく分娩時の看護人員配置のデータとして非常に有益と思われる。また金曜日の午後から緊急性の高い児の出生や帝王切開が行われることは産科のみならず、NICUにも本情報を共有することが重要である。NICU の実態調査も必要性が高いと思われる。
著者
家子 正裕 高橋 伸彦
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

強力な血栓リスクであるループスアンチコアグラント(LA)の測定方法の標準化を検討した。LA活性は残存血小板数が1,200/μL以上の血漿で有意な変動を示すため、1500 g, 15分間以上の遠心分離を行いバフィーコートより5mm上までを採取した血漿(残存血小板数:3,000/μL未満)が推奨される。一方、APTT試薬のLA感受性は活性化剤に影響されず、リン脂質の種類、濃度、配合比率が重要と思われた。APTT交差混合試験では、患者血漿10, 20%がLAに、50%が内因系凝固因子の欠損症やインヒビターの検出に有用であり、これらの5ポイントによる測定が推奨される。