- 著者
-
平井 良治
池田 稔
- 出版者
- 日本口腔・咽頭科学会
- 雑誌
- 口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.1-5, 2012 (Released:2012-07-27)
- 参考文献数
- 45
現代社会は高い生活の質を要求し, 高齢化社会に伴って高齢者に多発する味覚障害患者は増加するものと推測されている. それに伴い味覚障害の診療の重要性が高まっている.現在まで味覚障害の原因は, ある程度検討され解明されている領域もあるが, 依然解明されていないものも多々存在する. よって, 味覚障害の診療で, 原因を確実に同定することは容易でなく, ガイドラインを作成することは繁雑な診療の一助になると考えられる.ガイドラインの作成に向けて本稿では, 味覚障害の発症に関与する因子としてこれまでに比較的よく検討が進められているミネラルの欠乏による味覚障害, 薬剤性味覚障害, 全身疾患に伴う味覚障害について述べる.