著者
山﨑 朋美 三宅 司郎 佐藤 夏岐 平川 由紀 岩佐 精二 成田 宏史 渡辺 卓穂
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.200-205, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
30
被引用文献数
5

アフラトキシンB1, B2, G1, G2(AFB1, AFB2, AFG1, AFG2)汚染の総量を測定するための直接競合ELISAを開発した.開発に当たっては,これらの各AFに同等に近い反応性を示すマウスモノクローナル抗体を用いた.開発した直接競合ELISAの測定範囲は,AFB1が50~230 pg/mL,AFB2が50~270 pg/mL,AFG1が60~390 pg/mL,AFG2が65~700 pg/mLだった.ローストピーナッツを用いて行った総AF添加回収試験の結果,直接競合ELISAは98%の回収率を示した.さらにAFB1, AFB2, AFG1, AFG2のすべてのAFが汚染している4種類の実試料を用いて測定を試みた結果,その認証値と高い相関関係が示唆された.開発した直接競合ELISAは,日本の規制値周辺の総AF濃度を測定するために好適と考えられた.