著者
平澤 勉 野際 陽子
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.536-546, 2013-12-15

要旨:本研究の目的は,うつ病患者に対する作業療法の気分改善効果や不快な思考低減効果と,入院期間の関係を検討することである.対象者は精神科病院に入院中のうつ病患者105名.入院日数90日以内の回復期群と91日以上の慢性期群に分け,作業療法前後の気分および不快な思考体験とその反応を比較し,満足度との関係を分析した.気分と不快な思考の改善効果は回復期群でより良好であり,対象者の満足度に影響を与えていた.入院うつ病患者に対する作業療法において,ポジティブな気分を促す活動,集中をもたらし不快な思考を低減できるような活動の有効性が示唆された.