著者
小寺 一興 平石 光俊
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.73-78, 1998-02-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
4
被引用文献数
4 6

日本語会話における単音節の出現率をテレビドラマのシナリオを対象に検討した。直音の出現率は91.9%, 拗音の出現率は2.1%, ンの出現率は6.0%であった。単音節の出現率は, 単母音でもっとも高く, ついで, タ行, カ行, ナ行, サ行, ラ行の順で子音の出現率が高かった。単音節明瞭度の側面から語音明瞭度検査による会話理解能力を評価すると, 57S語表は, 日本語100音節または67S語表より, 精度と効率の点で優れていた。VCV語表については, 会話理解能力を評価するためには, 子音の出現率を加味した評価が必要と考えられた。
著者
小島 千絵 平石 光俊 石塚 洋一
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.185-190, 2003-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1

私共は当科初診時に難治性で, かつ咽頭以外にも口内炎や潰瘍が認められた症例で, その後に突然の下血を起こし, クローン病と診断しえた2症例を経験した.今回の症例は, 2症例ともに口内炎ならびに喉頭の白苔と咽頭潰瘍が消化器症状に先行して出現していた.これらの事より, 耳鼻咽喉科に受診するアフタ性口内炎や咽頭潰瘍に関して, 喉頭の所見や消化器症状などにも留意し, 便秘や軟便, 下血などの有無を確認し, クローン病の可能性も念頭におきながら経過観察が必要と考えられた.
著者
平石 光俊 石塚 洋一 曽根 一倫 千葉 良子
出版者
Society of Oto-rhino-laryngology Tokyo
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.9-13, 2004

ジェット式ネブライザー装置より噴霧された, 芳香剤添加ネブライザー溶液中の塩酸セブメノキシムの安定性について検討した。芳香剤はハッカ油, ストロベリーエッセンス, バニラエッセンスを用いた。噴霧気体中の塩酸セブメノキシム, マウスピースに付着した塩酸セブメノキシム, 薬液槽中に残存した塩酸セブメノキシムの残存率と力価について, 芳香剤添加ネブライザー溶液と芳香剤を添加しないネブライザー溶液を比較検討した。いずれの実験において, 各々の芳香剤を添加したものは残存率, 力価の両面において, 芳香剤を添加しないものとほとんど差がなかった。ネブライザー溶液に芳香剤を添加しても, 塩酸セブメノキシムの噴霧に影響を与えないものと考えられる。
著者
小寺 一興 平石 光俊 三浦 雅美
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-194, 1997-06-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

調音結合が単音節明瞭度に与える影響を, 正常聴力者8名と感音性難聴患者12名を対象に検討した。 無意味2音節語表で調音結合を含む語表と含まない語表の間で語音明瞭度検査を行い, 以下の結果と結論を得た。 1) 調音結合を含む2連音節語音では, 第1音の明瞭度は第2音より低下する。 その原因は, 音節を連続発声するとき第1音が不明瞭に発音されることによっている。 2) 調音結合にともなう音響情報が欠落すると, 感音性難聴患者の明瞭度は大きく低下する。 その原因は, 第1音の母音が第2音の子音を遮蔽することによっている。