著者
高野 慎也 平間 紀子 長島 敏代 須藤 礼子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.446, 2011 (Released:2012-02-13)

〈はじめに〉ナースコール(以下NCと略す)が頻回に鳴り、業務が進まないことがある。また、忙しい業務のためNCに十分対応できていない現状がある。その結果、患者が看護師に対して不信感・不満感を抱くケースは少なくないと考えられる。看護師がNCについてどのような認識をもち、使用しているかを明らかにするために研究に取り組んだので報告する。 〈研究方法〉期間:2010年7月~10月 対象:病棟看護師24名 データ収集法:選択・一部記述式のアンケート調査 内容1.NCの果たす役割 2.NCの考え方について データ分析法:アンケートは単純集計、自由記載はカテゴリー化した 倫理的側面の配慮:研究内容を説明、理解・同意を得た 〈結果〉回収率は100%であった。NCの果たす役割は、23名(96%)が患者や家族が看護師を呼ぶ手段であると回答した。「NCはコミュニケーションパターンの一つであるか」は「はい」11名(46%)、「いいえ」9名(37%)、「どちらでもない」4名(17%)。「NCは看護業務を効率良くするか」は「はい」14名(58%)、「いいえ」5名(21%)、「どちらでもない」5名(21%)。「NCは患者のニードを満たすか」は「はい」20名(83%)、「いいえ」1名(4%)、「どちらでもない」3名(13%)。「NCが無くてもニードを満たす看護はできるか」は「はい」7名(29%)、「いいえ」8名(33%)、「どちらでもない」9名(38%)。「NCを使用せずに行動できるか」は「はい」7名(29%)、「いいえ」10名(42%)、「どちらでもない」7名(29%)であった。 〈考察〉NC の役割について氏家は「コミュニケーションの一つ・患者と看護師の連絡手段・看護業務を効率良くするもの・患者のニードを満たすもの・用がある時に呼ぶもの」と述べている。 今回の調査でNCは患者が用事のある時に必要であり患者と看護師との連絡手段とは考えていないことが明らかになった。また患者が使用することでニードを満たすことができると捉えている。しかし、コミュニケーションとしては十分ではなく、直接関わることに意味があると考えられる。さらにNCが業務に与える影響は、必ずしも効率を良くするものではないと思われる。