- 著者
-
田島 明子
近藤 克則
慶徳 民夫
幸 信歩
- 雑誌
- リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences
- 巻号頁・発行日
- vol.15, pp.1-112, 2020-07-06
目的:本研究では,住民運営通いの場への参加促進要因を質的,帰納的分析により抽出し,その結果から,間接的支援のための支援構造を考察することを目的とした.対象と方法:個別インタビューはサロンの立ち上げに関与したA 氏に行い,フォーカス・グループ・インタビューは,サロン研究やそれに類似する高齢者介護研究を実施してきた研究者4 名に行い,結果を,帰納的に分析し,カテゴリ化を行い,カテゴリを説明する概念を付した.また先行研究を参考にし,さらに作業科学の知見を基にテーマを設定した.結果:people に関わる要因とplace に関わる要因に分類された.People に関わる要因は,作業的存在としてのbelonging とdoing に分けられた.考察:人を作業的存在として捉えたとき,サロンは,健康志向性を持った,高齢者の誰をも受け入れるbelonging を用意し,ソーシャルキャピタルを育成するdoing を提供しているplace であると整理できた.