著者
竹内 啓 広津 千尋
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.39-50, 1980-01-20 (Released:2009-06-12)
参考文献数
12

2重に分類された計数データに関する検定問題で,行,列またはその両方に順序がある場合を考える.二つの多項分布の比較,いくつかの2項分布の比較,いくつかの多項分布の比較,分割表における独立性の検定,等で傾向のある対立仮説を想定する場合がこれに含まれる.本論文ではこれらの問題に適用できる累積カイ2乗法を提案し,その漸近的な検出力が点数法あるいはタイのある場合のWilcoxonの条件付検定法よりも秀れていることを示す.ここでの累積カイ2乗法は,田口の累積法を修正したもので,Wilcoxon統計量と同じ次元を持っている.