- 著者
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酒井 真由美
澤田 愛子
広瀬 幸美
- 出版者
- 富山大学
- 雑誌
- 富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.1, pp.49-59, 2003-11
- 被引用文献数
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1
青年期に発症した1型糖尿病患者が抱く「希望」の構成要素を明らかにし,その結果から,育年期発症1型糖尿病患者への看護的支援を考察した.その結果,患者が抱く「希望」の構成要素として,『自己に対する希望』と『社会に対する希望』に分類された.『自己に対する希望』では,【自己変容】,【生活の変化】,【血糖コントロール】,【合併症の予防】,【将来】,【神仏への祈り】の6カテゴリーが抽出され,『社会に対する希望』では,【1型糖尿病に対する社会認識】,【社会環境】,【同病者の存在】,【医学の進歩に対する期待】の4カテゴリーが抽出された.『自己に対する希望』では, 1型糖尿病患者である自己を肯定的に捉え,積極的な未来志向が希望を推し進める第一のものであった.その時,青年期の心理的問題も同時に考慮していく必要がある.一方,『社会に対する希望』では,あらゆる場面及び人間関係において,1型糖尿病に対する誤解や偏見,差別がなくなることを強く望んでいた.看護的支援においては,「患者自身への支援」と「社会への啓蒙活動」の2つの側面から関わっていくことが重要であるといえる.