著者
山下 裕司 下郡 博明 菅原 一真 広瀬 敬信
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は,生活習慣病であるメタボリック症候群が聴覚に及ぼす影響について明らかにし,その予防方法を開発,将来の臨床応用に発展させることである。そのためにモデルマウスTSODを用いて研究を行った。結果としてメタボリック症候群モデル動物は,加齢に伴い出現する難聴が対照動物に比べてより早期に出現することが明らかになった。組織学的検討からは内耳の血管に動脈硬化が生じ,内耳の血流が減少することが原因のひとつであると考えられた。また,発現遺伝子の検討からは,多くの種類の成長因子が減少していることが明らかになった。これらの結果は新しい難聴予防の方法の開発につながると考える。