著者
府川 則子 湯村 和子
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.352-357, 2018-07-25 (Released:2018-08-18)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

CKDは透析予備軍であり,腎保護効果を期待し,高齢患者においても,0.8 g/kg・標準体重/日を目安にたんぱく質摂取制限が推奨されている.しかし,高齢CKD患者では,食事全体量が少なくなり,摂取エネルギー量が低下,体蛋白異化により低栄養が進行する場合も散見する.高齢CKD患者においては,CKDステージ4~5であっても十分な余命が見込まれる場合においてのみ,現状のBMIを維持すべき十分なエネルギー量を確保した上で,たんぱく質の摂取量を考慮する必要がある.