- 著者
-
庭野 晃子
- 出版者
- 一般社団法人 日本保育学会
- 雑誌
- 保育学研究 (ISSN:13409808)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.1, pp.105-114, 2020 (Released:2020-12-08)
- 参考文献数
- 28
保育者不足が問題となっている。その要因として保育者の離職率の高さが指摘されているが,離職を規定する要因について統計的な手法を用いて検証した研究はほとんどない。本研究は,保育従事者の離職意向を規定する要因について検証し離職防止の対策を提案することを目的とした。新任からベテランの保育従事者574名を調査対象としWEBアンケートを行った。重回帰分析の結果,保育従事者の離職意向を規定する要因は,年齢,設置主体,給与,1か月の平均勤務日数,勤務の融通等の変数と有意に関連していた。離職を防止する対策として,「保育士等の処遇改善」を継続することや仕事と家庭の両立をしやすい柔軟な勤務体制を構築していくことを提案した。