著者
嵯峨 知生 廣川 誠
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.11, pp.2336-2342, 2015-11-10 (Released:2016-11-10)
参考文献数
9

予防接種の安全性は高いが,副反応はゼロではない.成人に安全に肺炎球菌ワクチンを接種するにあたり,定期接種・任意接種の接種要件を理解し,不適当者・要注意者を見極めることが重要である.歴史的経緯から接種経路についても注意が必要である.副反応・有害事象の考え方と対処法,および予防接種後副反応報告の義務化とその概要,健康被害救済制度についても理解しておく必要がある.

3 0 0 0 OA 3.悪性貧血

著者
廣川 誠
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.7, pp.1609-1612, 2014-07-10 (Released:2015-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

悪性貧血は自己免疫化生性萎縮性胃炎による壁細胞の減少が病因であり,内因子の分泌減少によるビタミンB12の吸収障害によって巨赤芽球性貧血が発生する.胃壁細胞および内因子に対する自己抗体が検出され,壁細胞が発現するH-K-ATPaseが抗壁細胞抗体の標的抗原である.ビタミンB12欠乏による非造血系の障害として末梢神経障害,亜急性連合性脊髄変性症,Hunter舌炎がみられる.自己免疫化生性萎縮性胃炎は胃がんおよび胃カルチノイド腫瘍の高リスクである.悪性貧血の治療はビタミンB12の非経口投与である.

1 0 0 0 OA 2.赤芽球癆

著者
廣川 誠 澤田 賢一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.1937-1944, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

赤芽球癆は正球性正色素性貧血と網赤血球の著減および骨髄赤芽球の著減を特徴とする難治性貧血である.赤芽球癆の病因は多様で,先天性と後天性の病型があり,後天性はその発症様式から急性型と慢性型に分類される.後天性慢性赤芽球癆には特発性と,胸腺腫あるいは大顆粒リンパ球白血病などに伴う続発性赤芽球癆がある.赤芽球癆の治療は病因によって異なり,基礎疾患の治療に反応しない慢性赤芽球癆に対して免疫抑制療法が行われる.