著者
鵜生川 久美 澤田 賢一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.2002-2009, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
19

哺乳類の赤芽球は脱核して赤血球となるが,脱核の生理的意義は不明である.生体内では,赤芽球の分化増殖,脱核後の核貪食などにマクロファージが深く関与している.近年,遺伝子導入技術の発達を背景に,脱核の機序として細胞質分裂や小胞輸送,核濃縮などに関連する分子が次々と明らかになってきている.本稿では,これらの脱核に関与する分子を中心に,赤芽球脱核のメカニズムについて紹介する.

1 0 0 0 OA 2.赤芽球癆

著者
廣川 誠 澤田 賢一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.1937-1944, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

赤芽球癆は正球性正色素性貧血と網赤血球の著減および骨髄赤芽球の著減を特徴とする難治性貧血である.赤芽球癆の病因は多様で,先天性と後天性の病型があり,後天性はその発症様式から急性型と慢性型に分類される.後天性慢性赤芽球癆には特発性と,胸腺腫あるいは大顆粒リンパ球白血病などに伴う続発性赤芽球癆がある.赤芽球癆の治療は病因によって異なり,基礎疾患の治療に反応しない慢性赤芽球癆に対して免疫抑制療法が行われる.