著者
時吉 聡介 井手 淳二 廣瀬 隼 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.228-230, 2009-03-25 (Released:2009-06-02)
参考文献数
7

【目的】超音波検査は侵襲が少なく,外来で検査が可能であり,非常に簡便な検査法である.当施設で行った超音波検査の正診率について検討した.【対象と方法】平成19年3月から11月までに熊本大学医学部附属病院にて肩関節鏡視下手術を行った28人(男性16人,女性12人,平均年齢52.3歳)を対象とした.超音波検査を術前に行い,腱板断裂の有無を肩甲下筋腱,棘上筋腱,棘下筋腱おのおのについて診断した.最終的な診断は手術時の所見とし感度,特異度,正診率を算出した.【結果と考察】肩甲下筋腱;感度は100%,特異度92.0%,正診率92.9%であった.棘上筋腱;感度は93.3%,特異度84.6%,正診率89.3%であった.棘下筋腱;感度は36.4%,特異度100%,正診率75.0%であった.我々の結果は諸家の報告と比べてやや低い傾向にあった.正診率を挙げるためには今後もトレーニングが必要と考えられた.
著者
小山 雄二郎 鬼木 泰成 中村 英一 西岡 宏晃 岡元 信和 田中 あづさ 廣瀬 隼 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.161-165, 2012-03-25 (Released:2012-06-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1

両膝完全型内側円板状半月板の1例を経験したので報告する.【症例】13歳,男性【主訴】右膝痛【現病歴】1年ほど前から特に誘因なく右膝の内側に運動時痛を認めた.徐々に疼痛が増強したため,当科を受診した.【現症】両膝共に腫脹,膝蓋跳動,可動域制限は認めなかった.圧痛を右膝の内側関節裂隙に認めた.【画像】単純X線像では,特に変化は認められなかった.MRIで内部に水平断裂を伴う完全型内側円板状半月板を認めた.左膝にも同様の所見を認めた.【経過】右膝に対し関節鏡下半月板形成術を行った.現在術後7カ月であるが疼痛は消失し,スポーツへ復帰している.