著者
長元 法喜 水田 博志 坂本 憲史 坂田 浩章 久保田 健治 甲斐 功一 北川 敏夫 井上 誠一 沼田 亨 大島 隆志
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.1213-1216, 1988-04-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

Fifteen cases with ruptures of musculotendinous juncture of the medial head of the gastrocnemius muscle which occurred during sports activities were studied. Of these cases, 7 were males and 8 were females. The mean age was 36 years and 6 months with ages ranging from 15 to 56.Six of these cases were involved in track-and-field events, three in volleyball, two in softball, two in badminton, one in judo and one in recreational game. Prodromic symptoms such as dull aching of the affected leg were seen in 8 cases. All cases were injured in a position of the ankle joint in dorsiflexion with the knee joint in extension.Conservative treatments resulted in a satisfactory recovery of their activities of daily living in all cases.The results indicated that prophylactic stretching is of value for preventing this injury, especially in middle-aged players.
著者
時吉 聡介 井手 淳二 廣瀬 隼 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.228-230, 2009-03-25 (Released:2009-06-02)
参考文献数
7

【目的】超音波検査は侵襲が少なく,外来で検査が可能であり,非常に簡便な検査法である.当施設で行った超音波検査の正診率について検討した.【対象と方法】平成19年3月から11月までに熊本大学医学部附属病院にて肩関節鏡視下手術を行った28人(男性16人,女性12人,平均年齢52.3歳)を対象とした.超音波検査を術前に行い,腱板断裂の有無を肩甲下筋腱,棘上筋腱,棘下筋腱おのおのについて診断した.最終的な診断は手術時の所見とし感度,特異度,正診率を算出した.【結果と考察】肩甲下筋腱;感度は100%,特異度92.0%,正診率92.9%であった.棘上筋腱;感度は93.3%,特異度84.6%,正診率89.3%であった.棘下筋腱;感度は36.4%,特異度100%,正診率75.0%であった.我々の結果は諸家の報告と比べてやや低い傾向にあった.正診率を挙げるためには今後もトレーニングが必要と考えられた.
著者
今村 悠哉 藤本 徹 瀬井 章 谷脇 琢也 岡田 龍哉 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.89-93, 2012-03-25 (Released:2012-06-26)
参考文献数
11

【目的】画像上著明な脊髄圧迫所見を認める頚椎椎間板ヘルニア症例において,保存的加療が可能であった1例を経験したので報告する.【症例】48歳女性.特に誘因なく後頚部から両肩にかけての激しい痛みと両手指のしびれ感が出現し,発症10日目に当科を受診した.筋力は保たれていたが,MR像にてC3/4正中型のヘルニアによる高度の脊髄の圧迫を認め,疼痛が強く手術を希望したが,2週間のカラーキーパー装着で疼痛半減したために,保存的に経過をみた.発症後2ヶ月のMR像でヘルニアは縮小し,7ヶ月後には完全に消退,頚部痛と両手指のしびれ感も消失した.【考察】腰椎椎間板ヘルニアの自然消退に対するメカニズムは明らかとなっているが,頚椎椎間板ヘルニアでの報告は少なく,本症例のように高度の脊髄圧迫を示した報告は限られる.短期間で症状の軽快を示すような症例の中にはヘルニアの自然消退が得られる可能性がある.
著者
鬼木 泰成 中村 英一 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.589-592, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
13

足関節impingement exostosis(以下IE)は脛骨前下縁と距骨背側に発生する骨増殖性変化であり,足関節痛を引き起こす場合がある.今回,IEによる疼痛に対し鏡視下手術を施行した4例を経験したので報告する.【対象】足関節痛にて受診し,単純X線にてIEが確認された4名(男性3名,女性1名),平均年齢15.5歳.【局所所見】軽度の背屈制限と足関節前面に圧痛,運動時痛を認めた.【X線】脛骨前下縁と距骨頸部背側にIEを認め,強制背屈にて衝突像を認めた.足関節不安定性を2名に認めた.【足関節鏡所見】滑膜の増生と軟骨に覆われた骨増殖像を確認し,強制背屈にて衝突を確認した.【手術】鏡視下に骨棘切除術,滑膜切除術を施行した.【経過】疼痛は消失し,スポーツ可能となった.【考察】IEに対する鏡視下手術は低侵襲で,比較的早期のスポーツ復帰が可能であった.問題点としては骨棘の再発についての十分な経過観察が必要であると考えられた.
著者
芳田 なおみ 宮本 忠司 大串 幹 水田 博志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0490, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】鎮痛目的の電気刺激療法には脊髄電気刺激療法,脳深部刺激療法,大脳皮質運動野刺激療法など様々な治療方法があるが,非侵襲かつ簡便さにおいては臨床では経皮的電気刺激(transcutaneous electrical nerve stimulation:以下TENS)が頻用されている。TENS使用の際には周波数や波形,パルス持続時間,強度や治療時間などのパラメーターや電極位置が効果に影響すると言われ,強度によりAβ線維やAδ線維の活性化,周波数により内因性オピオイド放出に関与すると報告されている。一方,電極位置に関しての報告はまだ少ない。また伝統的に疼痛部位に電極を直接貼付することが多いが,創外固定器や熱傷などの創部状態や幻肢痛などにより直接的なアプローチが困難な場合がある。我々は予備実験として疼痛部位と関連のある遠隔部位に電極貼付することにより疼痛が軽減することを認めた。今回は,同様に疼痛部位に関連した遠隔部位に電極を貼付し,疼痛の種類により効果の発現に違いがでるかを検証した。【方法】対象は当院リハビリテーション部を受診し疼痛を有する患者21名,26部位を対象とした。電極位置は疼痛部位に関連のある経穴もしくはデルマトームおよびスクレロトームとし,対象者ごとにランダムに選択した(経穴群9名12部位,デルマトーム群12名14部位)。また痛みの病態により侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛とに分類した。TENSは低周波治療器(伊藤超短波社製,Trio 300)を用いた。刺激はパルス幅50μsec,周波数10Hz及び100Hzにて2つのチャンネルにより電気刺激を20分間与えた。電流は対象者が心地よいと感じるところまでとし刺激強度として記録した。疼痛評価は日本語版Short-Form McGill Pain Questionnaire(以下SF-MPQ)及びVisual Analog Scale(以下VAS)を用いた。SF-MPQは治療開始および一週間ごとに経時的に評価し,各治療前後で即時効果としてVASを評価した。得られたデータは経穴群とデルマトーム群にて病態分類別に治療前後で比較し,また刺激強度についても比較検討をした。【結果】経穴群のうち侵害受容性疼痛は7部位,神経障害性疼痛は5部位であった。一方,デルマトーム群では侵害受容性疼痛は10部位,神経障害性疼痛は4部位であった。治療開始時および終了時のSF-MPQは経穴群の侵害受容性疼痛にて13.0から4.2へ,神経障害性疼痛も10.4から6へ減少した。デルマトーム群においては侵害受容性疼痛が14.1から7.3,神経障害性疼痛は20.3から19.7にとどまった。各治療前後のVASにおいて,経穴群では侵害受容性疼痛は21.4から10.9へと減少し,神経障害性疼痛でも26.4から19.2へと減少した。デルマトーム群においても,侵害受容性疼痛は35.3から19.4と減少し,神経障害性疼痛も43.4から36.9へと減少を認めた。刺激強度については,10Hzで経穴群は28.2mA,デルマトーム群は41.7mAで,100Hzでは経穴群で19.0mA,デルマトーム群では29.4mAでいずれも経穴群が小さかった。【考察】疼痛部位ではない遠隔部位へのTENSは経穴およびデルマトーム両群において疼痛を即時的にも経時的にも軽減させた。侵害受容性疼痛はAδ線維やC線維の終末に存在する侵害受容器を興奮させて生じる痛みであるため,TENSにてそれらを抑制するAβ線維の活性化することにより,疼痛を軽減させたと考えた。さらに,神経障害性疼痛への効果が低かった原因としては,TENSによって生じた内因性オピオイドの放出やAβ線維の活性化が,末梢性や中枢性の神経系の損傷や機能異常がある部位への抑制刺激としてはまだ不十分だった可能性がある。また経穴は少ない強度でも十分な疼痛軽減効果が得ることができたのは,トリガーポイントやモーターポイントと類似した電気を通しやすい部位であるためと考えた。【理学療法学研究としての意義】疼痛部位に直接的なアプローチが困難な場合でも,関連のある遠隔部位へのTENSにより疼痛が軽減することを認めた。選択的なTENSの施行により効果的に疼痛を軽減し患者のQOL向上につながることが期待される。
著者
中村 英一 水田 博志 長元 法喜 佐久間 克彦 松川 昭博 米村 憲輔 高木 克公
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.1470-1472, 1991-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
11

We recently had two rare cases of a stress fracture in the lower extremity. The first case was a 14-year-old sprinter who suffered a stress fracture of the medial malleolus. The second case was a 15-year-old baseball player who had an initial stress fracture in the femur and later stress fracture in the ipsilateral tibia. We shortly discussed about these cases.
著者
小山 雄二郎 鬼木 泰成 中村 英一 西岡 宏晃 岡元 信和 田中 あづさ 廣瀬 隼 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.161-165, 2012-03-25 (Released:2012-06-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1

両膝完全型内側円板状半月板の1例を経験したので報告する.【症例】13歳,男性【主訴】右膝痛【現病歴】1年ほど前から特に誘因なく右膝の内側に運動時痛を認めた.徐々に疼痛が増強したため,当科を受診した.【現症】両膝共に腫脹,膝蓋跳動,可動域制限は認めなかった.圧痛を右膝の内側関節裂隙に認めた.【画像】単純X線像では,特に変化は認められなかった.MRIで内部に水平断裂を伴う完全型内側円板状半月板を認めた.左膝にも同様の所見を認めた.【経過】右膝に対し関節鏡下半月板形成術を行った.現在術後7カ月であるが疼痛は消失し,スポーツへ復帰している.
著者
坂田 浩章 水田 博志 白石 稔 北川 敏夫 大島 隆志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.347-349, 1987-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

Traumatic myositis ossificans is well known to occur in the muscle hematoma as a result of a contusion or a strain.An 18-year-old male of traumatic myosits ossificans after contusion on his right anterior thigh while playing rugby football was reported. Five and seven days after the first injury he played rugby football and reinjured the same area. Three weeks after the reinjury he had increased anterior thigh pain and limited motion of the knee. When examined, the right quardriceps was tender and swollen in the antero-mid thigh. Flexion of the knee was about 80 degrees due to pain. Roentgenograms showed linear and cloudy calcification in the quardriceps muscle. His knee was immobilized, and he was given a non-steroid antiinflamatory agent for two weeks. After pain relief rehabilitation began with exercise to increase the range of motion. Four months after the first injury, the patient had no pain and limitation of knee flexion.Adolescents actively involved in contact sports are at risk for muscle trauma, which can results in myositis ossificans. The development of traumatic myositis ossificans is related to the severity of the quardriceps contusion.Recognition and appropriate therapy can reduce the associate disability.