著者
鬼木 泰成 藤原 怜 宮園 大地 大橋 浩太郎 山隈 維昭 髙木 克公 知花 尚徳 水野 秀夫 鬼木 泰博
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.222-226, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
9

スポーツ外傷の中でも足底筋膜断裂は極めて稀である.今回我々は女子バスケットボール選手に発生した足底筋膜断裂の1例を経験したので報告する.34歳女性,主訴は右足底部痛と歩行困難である.学生時代より県内トップクラスの選手であり,現在も競技生活を継続している.平成27年11月,バスケットボールのストップ動作にて右足底部に激痛とポップ音を自覚し,当院スポーツ外来を受診した.右足底,踵骨足底筋膜付着部を中心に,腫脹,圧痛,皮下出血を認めた.MRIで足底筋周囲,付着部,heelpad内へ広がる高信号域が確認され,連続性の途絶を認めた.2週間のシーネ固定と足部トレーニング,体幹下肢機能改善訓練を実施した.受傷後4週で若干の圧痛は残存するものの,歩行可能となった.受傷後8週でジョギングが可能となり,12週でバスケットボールへ復帰した.本症例は保存療法が奏功し,比較的早期復帰が可能であった.
著者
鬼木 泰成 中村 英一 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.589-592, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
13

足関節impingement exostosis(以下IE)は脛骨前下縁と距骨背側に発生する骨増殖性変化であり,足関節痛を引き起こす場合がある.今回,IEによる疼痛に対し鏡視下手術を施行した4例を経験したので報告する.【対象】足関節痛にて受診し,単純X線にてIEが確認された4名(男性3名,女性1名),平均年齢15.5歳.【局所所見】軽度の背屈制限と足関節前面に圧痛,運動時痛を認めた.【X線】脛骨前下縁と距骨頸部背側にIEを認め,強制背屈にて衝突像を認めた.足関節不安定性を2名に認めた.【足関節鏡所見】滑膜の増生と軟骨に覆われた骨増殖像を確認し,強制背屈にて衝突を確認した.【手術】鏡視下に骨棘切除術,滑膜切除術を施行した.【経過】疼痛は消失し,スポーツ可能となった.【考察】IEに対する鏡視下手術は低侵襲で,比較的早期のスポーツ復帰が可能であった.問題点としては骨棘の再発についての十分な経過観察が必要であると考えられた.
著者
小山 雄二郎 鬼木 泰成 中村 英一 西岡 宏晃 岡元 信和 田中 あづさ 廣瀬 隼 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.161-165, 2012-03-25 (Released:2012-06-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1

両膝完全型内側円板状半月板の1例を経験したので報告する.【症例】13歳,男性【主訴】右膝痛【現病歴】1年ほど前から特に誘因なく右膝の内側に運動時痛を認めた.徐々に疼痛が増強したため,当科を受診した.【現症】両膝共に腫脹,膝蓋跳動,可動域制限は認めなかった.圧痛を右膝の内側関節裂隙に認めた.【画像】単純X線像では,特に変化は認められなかった.MRIで内部に水平断裂を伴う完全型内側円板状半月板を認めた.左膝にも同様の所見を認めた.【経過】右膝に対し関節鏡下半月板形成術を行った.現在術後7カ月であるが疼痛は消失し,スポーツへ復帰している.