著者
住吉 広行 山根 宏文 益山 代利子 建石 繁明 SHIRINASHIHAMA Hiroyuki MINEGISHI Yoshio
出版者
松本大学松商短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

今回の申請は、安曇野が持っている豊かな自然環境や文化的な土壌を活かして、グリーンツーリズムあるいはエコツーリズムという視点で観光産業を発展させ、地域の活性化を図ろうとするものであった。特に、この地域では多くの方々が同じ思いで、独自の取組をされているが、それらがなかなか有機的に結びついていないという欠点を持っていた。それを大学という学術的な面での拠点を活かして、人と人とを結びつけ、新たな事業展開を図ることを一つの大きな目標にしていた。この点に関しては、2度の集いを開催し、各回70名を越える参加者を得ただけではなく、参加者自らが情報ネットワークを構築して、互いの情報交換を頻繁に行おうというところまで進展させることが出来た。参加者同士での知識や技術の交換も行われ、こうした方向性に参加された多くの方々が意を強くされた集会となった。一方で、安曇野が持つ観光資源をさらに広い視野で捉えようと、国内においては、産地直送や安全安心をテーマとした都市と農村の交流を活性化させることや、ユニバーサルデザイン化された観光地という視点での問題点洗のい出し、さらには環境を重視した世界的な取組などを、地域の方々と連携しながら学ぶ中で、これからの安曇野観光を共に考える機会が持てたと思われる。また、行政との連携という視点では、安曇野観光ネットワーク推進協議会やそれがさらに発展した、安曇野ブランドデザイン会議の進展などの成果があり、その後も大学と国営アルプスあづみの公園などが連携して、地域住を巻き込んだ健康づくりの活動も進んできている。また団塊の世代を対象とした、エコツーリズムのプランも旅行業者や地元観光業界などとの提携で、順調な足取りを踏み出して来ている。
著者
熊代 克巳 建石 繁明
出版者
信州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

1.リンゴ、ナシ、モモ及びブドウに対して通常の防除暦に従って薬剤散布を行い、葉の純光合成速度(Pn)、蒸散速度(Tr)及び気孔拡散伝導度(Gs)の消長を調べた。その結果、Pn、Tr及びGs共に、薬剤散布直後には低下し、1日後にはかなり回復するという経過を繰返した。2.供試薬剤のうち最も顕著な抑制作用を示したのはビ-ナイン(主成分SADH)で、正常に回復するには約10日を要した。そして、その抑制は高濃度液ほど、また若齢葉ほど顕著であった。3.リンゴの収穫前落果防止の目的で散布するオ-キシン剤は、Pn、Tr及びGsに対する抑制は軽微で、散布後1日目にほとんど正常に回復した。4.殺虫剤スミチオンの粉剤、水和剤及ぴ乳剤をナシに散布して、Pn、Tr及びGsに及ぼす影響を比較したところ、乳剤の抑制作用が最も著しく、粉剤の影響が最も小かった。5.浸透性の強い展着剤に温州ミカンの葉を浸漬した後、徒手切片を作成して、落射蛍光顕微鏡で観察したところ、浸漬直後には気孔周辺に浸漬1日後には海綿状組織及び柵状組織に、自己蛍光を発生する細胞が認められた。このことから、たとえ肉眼的な薬害症状が認められない場合でも、細胞が何らかの生理的障害を受ていることが推察された。6.各種薬液に葉を浸漬した後に、走査型電子顕微鏡を用いて、気孔の開度を調べたところ、各薬液共に、浸漬直後には気孔の開度を低下させ、高濃度液ほど閉鎖作用が著しかった。ただし、ボルド-液に浸漬した場合には、開閉機能が失なわれて開いたままの気孔が散見された。