- 著者
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海老田 大五朗
引地 達也
- 雑誌
- 新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.2, pp.38-48, 2020-09
日本における知的障害児の後期中等教育卒業後の第三の選択肢として、福祉制度を利用した「学びの場」を構築する動きが全国に広まっている。しかしながら先行研究において、「学びの場」における教示内容の精査が十分なされてきたわけではない。そこで本研究では、「学びの場」のであるシャローム大学校とみんなの大学校でのメディア教育実践について、マクルーハンのメディア論を参照しながら記述した。とりわけ知的・発達障害者(精神障害者)に対して最適化された時間と空間のデザインを模索する。キーワードは、「コミュニケーション行為」、「同時間性」、「メディアを使用した遠隔授業の使用方法」である。「学びの場」であるシャローム大学校とみんなの大学校では、障害者を情報弱者にしないために、メディア教育はトラブル回避を念頭に置きつつ、メディア使用によってマクルーハンのいう人間の機能拡張が可能になることが目指されていた。本研究は、こうした教育実践の事例報告である。