著者
弦間 昭彦
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.82-87, 2015-04-30 (Released:2015-09-11)
参考文献数
12

肺非小細胞癌においては,分子標的治療研究が進み,多くの薬剤の開発がなされている.その中で,多くの問題点も浮かび上がっている.耐性機序,薬剤の使い分け,併用の在り方,個別化の方策など,枚挙に暇が無い.特に,治癒への治療戦略が視野に入ってきており,癌の多様性に基づく耐性獲得を想定した際,併用療法が一つの候補と言える.また,異なる視点での治療標的の併用が考えられる.間質との関係,免疫修飾,代謝の制御,ゲノム不安定性の制御,幹細胞へのアプローチなどが,現時点で候補となる標的といえる.