著者
中平 歩 岡田 将治 張 浩
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1087-I_1092, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
7

近年,四万十川河口より4kmから6kmの区間では,土砂堆積による流下能力の不足および汽水域に生育する天然スジアオノリの収穫量の減少が問題となっている.土砂堆積の要因は,昭和41年以降の砂利採取期間を含む現在までの土砂動態と流入土砂量の検討結果から,砂利採取禁止後からの土砂供給量の増加によるもので,今後も堆積傾向にあることが予想される.また,スジアオノリの生育に適した河床高の面積と収穫量の関係から,土砂供給量の変化がスジアオノリの生育できる河床高の範囲に影響を及ぼしていることがわかった.そこで,平成26年に移動床実験による平衡河床形状の検討結果から選定した掘削箇所をスジアオノリの生育に適した河床高になるよう切り下げた結果,平成27年1月にはそれまでに繁茂していなかった区間に新たな繁茂域の形成が確認された.
著者
北川 進 水谷 義 遠藤 一央 藤戸 輝明 張 浩徹 近藤 満
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

電場印加下観測用にワイドボア個体NMRプローブを新規設計、作製をした。観測用高出力アンプは米国AMT社製のM3200を使用した。サンプルセルは、0.5mm〜2.0mm厚のダイフロン製板の両側から二枚の厚さ1.0mmのITOガラス板を挟むことによって作製した。検出器部のゴニオヘッド内にあるサンプルセル挿入部(ダイフロン製)は回転可能とし、NMRマグネットの磁場に対して-90°〜+90°配向した電場を印加することが可能であるように作製した。^1Hデカップルの際発生する熱を下げるため、NMR本体からチューブで冷却風を強く送り、サンプルセル周りの熱上昇を防ぐ処置を取った。高電圧発生装置として、高電圧高速電力増幅器を用い、直流電圧を0V〜500Vに渡って印加することができるようにした。電場応答性を示すサンプルとして室温でネマチック相である液晶分子4-Cyano-4'-n-pentylbiphenyl(5CB)を用い、25℃下で段階的に電場を磁場に対して垂直に印加しながら^13C CPNMRを測定した。その結果、電場を段階的に印加した状態で測定することにより、電場に依存する分子の局所的運動や電子状態などの様々な情報が得られることが分かった。別途、双極子を有する配位子を組み込んだ多数の配位高分子結晶の合成に成功した。