著者
張替 直美 原田 秀子 岡 裕美 若松 真紀 金子 五和
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.29-33, 2007-03

炭酸泉入浴剤を用いた足浴(バブ浴)が生体に与える影響と効果について調べるために、健康な女子学生11名を対象に、足浴前後の足背の末梢皮膚血流量と末梢皮膚温度の測定を実施し、さら湯浴と人工炭酸泉浴との比較検討を行った。その結果、バブ浴と人工炭酸泉浴ともに足浴による下肢の浸責部位である足背の末梢皮膚血流量は、足浴直前に比べ足浴10分後に有意に増加した。しかし、さら湯浴ではこれらの両足浴よりも有意に血流量の増加率は低かった。また、足背の末梢皮膚温度は、人工炭酸泉浴とバブ浴では、足浴直前に比べ足浴後15分に有意な上昇が認められたが、さら湯浴のみ有意な皮膚温度の上昇は認められなかった。これらのことから、バブ浴は人工炭酸泉浴に準じる足浴中の皮膚血流量増加作用と足浴終了後の皮膚温度保持効果、ひいては、循環促進効果が示唆された。
著者
中谷 信江 張替 直美 宮腰 由紀子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.49-57, 2003-03

本研究は、看護基礎教育における看護技術習得に向けた効果的で効率的な学習支援策検討の基礎資料を得る目的で、気管内吸引技術を取り上げ調査した。A大学の卒業生2学年(1期目入学生 : 以下、1期生と記載、及び、2期目入学生 : 2期生)を対象としたアンケート調査にて、気管内吸引技術の教育が、卒業後の教育対象者の記憶と同技術への自己評価にどのように影響するかを明らかにした。その結果、「就職後の技術に対する自己評価」に関連する要因として、「就職後の技術実施経験の有無」・「期生(経験年数)」及び「学内授業終了時の技術に必要な知識の獲得意識の記憶」の3項目が認められた。また、2期生は、1期生よりも「学内授業終了時の技術に必要な知識の獲得意識の記憶」が高率で、「学生自身がモデル人形に実施した記憶」、「授業が楽しかった記憶」、「手技の原理を学んだ記憶」も高率であり、「複数の教員のデモンストレーション」「"小集団"及び"実施手順を用いた"学生自身のモデル人形に対する実技体験」を受けていた。