著者
折山 早苗 宮腰 由紀子 小林 敏生
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

16時間夜勤時の看護師の眠気、疲労感および睡眠状況ならびに夜勤時にとる仮眠の影響を明らかにし、パフォーマンス維持に効果のある仮眠のとり方を実施した。まず、質問紙調査を行い、眠気や疲労感の増加する時刻などを明らかにした後に夜勤時の仮眠のとり方を決定し、夜勤時の仮眠時間ならびに仮眠開始時刻の条件をかえて、実験室で行った後に、臨床実験を行った。仮眠開始時刻によって朝方にかけて眠気、疲労感、パフォーマンスの変化が異なることが明らかとなり、パフォーマンス維持効果のある仮眠のとり方が明らかになった。
著者
岡田 ルリ子 松川 寛二 小林 敏生 宮腰 由紀子
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.315-321, 2013-08-01 (Released:2013-08-29)
参考文献数
37
被引用文献数
1

This study aimed to develop a new method of increasing water content in the cutaneous stratum corneum under a dry skin condition. For this purpose, the experiments were performed using 10 healthy women (age: 20 ± 5 years, height: 158 ± 4 cm, weight: 50 ± 6 kg) in winter to ensure the dry condition. The subjects immersed the right hand into a 42˚C bath for 10 min. Skin surface temperature and water content in the stratum corneum of the left forearm were simultaneously measured during and for 1 h after the hand warming. The skin surface temperature began to increase (P<0.05) 15 min after the hand warming and thereafter remained increased for 1 h. Similarly, the water content in the stratum corneum began to increase immediately after the hand warming and remained increased throughout the experiment. The present results suggest that warming of one hand is effective in enhancing skin moisture in the other forearm and thereby maintaining barrier function of the skin.
著者
折山 早苗 宮腰 由紀子 小林 敏生
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

12時間交代制勤務に従事する看護師の夜勤時の休息・休憩状況と眠気や疲労を明らかにした。12時間夜勤者は16時間夜勤者よりも勤務前の仮眠時間が長かった。日勤は,長日勤より負担は大きく,特に,長日勤は,17:00以降に眠気や疲労が増加することが示された。以上より,16時間夜勤から12時間勤務にスムーズに移行する為には,長日勤時の17:00以降の疲労の軽減が重要であると考える。
著者
岡田 ルリ子 松川 寛二 小林 敏生 宮腰 由紀子
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.131-137, 2015-06-01 (Released:2015-07-17)
参考文献数
18
被引用文献数
4

皮膚の保湿性の指標となる角層水分量および経皮水分蒸散量を,皮膚表面温度とともに,冬季(室温 21℃)と夏季(室温 25℃),および冬季の室温 21℃と 25℃という室内温度環境下で測定した.この 3 項目に影響を及ぼす短期的(室温変化)および長期的(季節)要因について検討した.角層水分量および皮膚表面温度は,夏季と比べ,冬季に有意に(P<0.01)減少し,経皮水分蒸散量も低下する傾向にあった.冬季の室温を夏季と同一の室温(25℃)に設定した場合,皮膚表面温度と経皮水分蒸散量は有意に上昇したが,角層水分量は低値のままであった.以上より,実験環境における室温という短期的要因よりも,季節という長期にわたる環境要因が角層水分量に大きく影響する可能性が考えられた.
著者
宮腰 由紀子 西田 美佐 塩原 正一
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.51-63, 1999

目的: 次代の子供の健康を担う母親の食品添加物等への意識と, 食品表示の確認行動の妊娠期と育児期の比較から, 母親に向けた食品選択に関する効果的な保健指導を検討するための資料を得ることを目的とした.対象: 妊娠期間中の調査 (以下『妊娠期』と略) の回答者で, 育児期間中の調査 (以下『育児期』と略) へ回答した366人中の, 妊娠期調査時点の胎児を第1子として出産した母親327人を, 今回の解析の対象とした.方法: 食品添加物関連17項目を含む39項目から成る質問紙を, 妊娠期は手渡し, 育児期は郵送で配付した. 回収は両時期とも郵送とした.集計・分析は統計パッケージSPSSにより, 同一人物の妊娠期と育児期のデータを用いて, 両時期間の食品添加物に対する意識と行動と各項目との相関関係・因子分析 (バリマックス回転を行った最尤法) の結果を比較した. そして共分散構造分析により, 育児期の食品添加物等『表示の確認』行動に対する主要項目の影響関係を把握した.結果: 全項目において妊娠期と育児期の回答間には強い相関関係が認められ, 妊娠期の意識や行動の傾向が育児期に反映することが確認された. 9割の人が「食品添加物のことを詳しく知りたい」と関心が高いが, 食品添加物を『気にする』『表示の確認』をする人は5割に留まった. 意識・行動項目の因子分析から両時期とも第一因子『購入品』を得たが, 第二・三因子は時期による相違が見られた. 育児期の『表示の確認』は妊娠期よりやや減少しており, 育児期の『表示の確認』に対する項目間の関係構造は, 『表示の確認』が『気にする』から強い影響を受けていた. 一方, 『気にする』は「食品添加物について詳しく知りたい」からの影響を受けていた.考察: 食品添加物等の表示を確認する行動を促進するには, 食品添加物に関する正しい知識を母親が持つことにより, 母親が食品添加物を気にする意識が強化されることが, 大切なポイントであることが明らかになったと考える.
著者
榎本 麻里 高橋 房恵 宮腰 由紀子 石川 みち子 渡辺 誠介 Mari Enomoto Fusae Takahashi Yukiko Miyakoshi Michiko Ishikawa Seisuke Watanabe 千葉県立衛生短期大学看護基礎理論 千葉県立衛生短期大学成人看護学 千葉県立衛生短期大学看護基礎理論 千葉県立衛生短期大学成人看護学 千葉県立衛生短期大学内科学 Chiba College of Health Science Chiba College of Health Science Chiba College of Health Science Chiba College of Health Science Chiba College of Health Science
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 = Bulletin of Chiba College of Health Science (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-45, 1983
被引用文献数
1

脳血管疾患は,我が国の死因の首位を昭和56年より悪性新生物に譲ったとは言え,依然第2位を占めている疾患である。幸いにして救命し得た場合でも,後遺症の1つである片麻痺は患者が社会復帰する上で大きな問題となっている。特に利き手側に片麻痺が生じた場合には,日常生活動作上の支障をきたし,利き手変換を余儀なくされることが多い。そこで,今回,我々は,日常生活動作の中でも重要と思われる食事動作と,コミュニケーションの大きな要素である書字について,健常者を対象として利き手変換を行ない,筋電図を用いて検討したので,その結果を報告する。
著者
髙瀬 美由紀 寺岡 幸子 宮腰 由紀子 川田 綾子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.4_103-4_109, 2011-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
67

本研究の目的は,国外文献を通して,看護実践能力の概念を検証することである。文献検索はCINAHLとMEDLINEを用い,nurs*とcompeten*のキーワードを掛け合わせて実施した。対象出版年は2000年から2009年とした。その結果,60文献を抽出した。看護実践能力の概念は,Rogersの概念分析法を用いて検証した。その結果,看護実践能力とは,看護実践における専門的責任を果たすために必要な個人適性,専門的姿勢・行動,そして専門知識と技術に基づいたケア能力という一連の属性を発揮できる能力,と定義できた。しかし,看護実践能力の発揮レベルについては総意が得られておらず,認識の統一が必要である。また,看護実践能力の構造化や先行・帰結因子の探求が不十分であり,看護実践能力の概念を確立するためには,さらなる検証が必要とされている。
著者
折山 早苗 宮腰 由紀子 小林 敏生
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.21-31, 2014 (Released:2014-04-11)
参考文献数
34

看護師の夜勤に伴う休息・休憩状況と勤務体制を支持する要因と,疲労回復のための休息方法を明らかにする為,二交代制勤務体制の総合病院に勤務する12時間夜勤者140人と16時間夜勤者681人を対象として,夜勤前・中・後の休息と休憩時間,夜勤のメリット・デメリットについて自記式質問紙調査を行った。12時間夜勤者は夜勤前の仮眠の取得率および仮眠時間が16時間夜勤者より多く,16時間夜勤者は夜勤前日の夜間睡眠時間が長く,夜勤中,夜勤後の仮眠取得率および睡眠時間も多かった。両夜勤群ともに90%以上の看護師が8時間夜勤を伴う三交代制勤務より現在の二交代制勤務を支持していた。16時間夜勤の支持要因として,年齢が低い,三交代制勤務経験が無い,夜勤前の仮眠時間が長い,夜勤中の休憩時間が長い,夜勤中の仮眠がとれる,の5点が明らかになった。さらに,16時間夜勤の場合,勤務中の仮眠取得のためには休憩時間が2.33時間以上必要であることが示唆された。
著者
高瀬 美由紀 寺岡 幸子 宮腰 由紀子 川田 綾子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:02859262)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.103-109, 2011-09-20
参考文献数
67

本研究の目的は,国外文献を通して,看護実践能力の概念を検証することである。文献検索はCINAHLとMEDLINEを用い,nurs*とcompeten*のキーワードを掛け合わせて実施した。対象出版年は2000年から2009年とした。その結果,60文献を抽出した。看護実践能力の概念は,Rogersの概念分析法を用いて検証した。その結果,看護実践能力とは,看護実践における専門的責任を果たすために必要な個人適性,専門的姿勢・行動,そして専門知識と技術に基づいたケア能力という一連の属性を発揮できる能力,と定義できた。しかし,看護実践能力の発揮レベルについては総意が得られておらず,認識の統一が必要である。また,看護実践能力の構造化や先行・帰結因子の探求が不十分であり,看護実践能力の概念を確立するためには,さらなる検証が必要とされている。
著者
中谷 信江 張替 直美 宮腰 由紀子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.49-57, 2003-03

本研究は、看護基礎教育における看護技術習得に向けた効果的で効率的な学習支援策検討の基礎資料を得る目的で、気管内吸引技術を取り上げ調査した。A大学の卒業生2学年(1期目入学生 : 以下、1期生と記載、及び、2期目入学生 : 2期生)を対象としたアンケート調査にて、気管内吸引技術の教育が、卒業後の教育対象者の記憶と同技術への自己評価にどのように影響するかを明らかにした。その結果、「就職後の技術に対する自己評価」に関連する要因として、「就職後の技術実施経験の有無」・「期生(経験年数)」及び「学内授業終了時の技術に必要な知識の獲得意識の記憶」の3項目が認められた。また、2期生は、1期生よりも「学内授業終了時の技術に必要な知識の獲得意識の記憶」が高率で、「学生自身がモデル人形に実施した記憶」、「授業が楽しかった記憶」、「手技の原理を学んだ記憶」も高率であり、「複数の教員のデモンストレーション」「"小集団"及び"実施手順を用いた"学生自身のモデル人形に対する実技体験」を受けていた。