著者
塩田 清二 竹ノ谷 文子 柴 加奈子 影山 晴秋
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.85-92, 2010-02-28 (Released:2011-08-05)
参考文献数
27

新規Gタンパク質共役型受容体(GPCR)リガンドは脳内に広く分布し,摂食・エネルギー代謝調節を行っていることが知られている.本稿では,GPCRリガンドのうち最近発見された神経ペプチドに着目し,とくに摂食調節に関わる脳内神経ネットワーク解析の結果を報告する.これらペプチド性リガンドとしてオレキシン,グレリン,ガラニン様ペプチド,ニューロペプチドWなどについて視床下部におけるニューロンネットワークを概説し,摂食およびエネルギー代謝調節にどのように個々の神経ペプチドが関与しているかを解説し,末梢の脂肪細胞から分泌される摂食抑制物質であるレプチンとの関連性などについて概説する.これらの研究によって肥満を引き起こすメカニズムが解明できればヒトにおける肥満患者の抗肥満治療につながり,ひいては糖尿病や高血圧などの成人病の治療法の開発に有用である.
著者
竹ノ谷 文子 塩田 清二 影山 晴秋 鈴木 勉
出版者
星薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

抗肥満ペプチドは摂食やエネルギー代謝亢進があるが、このペプチドと運動を活用して肥満動物に抗肥満作用を活用した報告はない。本研究では、抗肥満ペプチドの点鼻投与法を動物実験で確立した。さらに抗肥満ペプチド点鼻投与と走行運動により、摂食抑制とエネルギー代謝亢進作用を詳細に検討した結果、摂食量や体重減少を得られた。この抗肥満ペプチドと運動療法をヒトへ臨床応用すれば、画期的な抗肥満療法の開発ができると示唆される。