- 著者
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安東 竜一
影嶋 富美
高田 正保
中村 保典
藤田 直子
- 出版者
- 一般社団法人 日本応用糖質科学会
- 雑誌
- 応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.3, pp.168-174, 2015
米澱粉における変異遺伝子と澱粉の利用特性との相関を解明することを目的として,既報のモチ性変異体米系統に続き,澱粉生合成関連アイソザイム(スターチシンターゼIIIa(SSIIIa),SSIVb,枝作り酵素IIb(BEIIb))が欠損したウルチ性変異体米系統(<i>ss3a</i>, <i>be2b</i>, <i>ss3a</i>/<i>ss4b</i>, <i>ss3a</i>/<i>be2b</i>)から得た澱粉の食品への利用特性について分析し,ウルチ性の野生型である日本晴と比較した。日本晴≪<i>be2b</i><<i>ss3a</i>≪<i>ss3a</i>/<i>ss4b</i>≒<i>ss3a</i>/<i>be2b</i>の順で糊化・膨潤し難い物性を示し,特に二重変異による糊化・膨潤の抑制が顕著であった。be2bの消化率は,未糊化状態では48.4%と難消化性を示したが,糊化状態では日本晴と同等であった。鶏唐揚げ衣への利用適性評価では,日本晴と比較して,変異体米澱粉の食感は調理直後では好ましかったものの,保存後では劣る傾向にあった。しかしながら,澱粉にまで精製せずに,米粉として用いることで,二重変異体米において保存後の食感が改善された。