著者
後藤 健治 程内 ゆかり 松下 恵巳 田中 佑樹 西村 佳子 石井 修平 陳 蘭荘
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告. 自然科学編 (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.61-65, 2013-04

宮崎県在来野菜の日向カボチャはニホンカボチャCucurbita moschataの黒皮品種群に属している。しかし,昭和40年以降はセイヨウカボチャC. maximaが粉質の肉質と良好な食味で普及し,日向カボチャの栽培面積は減少し,現在は高級和食料理亭用として宮崎市と都城市の一部で施設栽培が行われているにすぎない。本研究では,日向カボチャの品種改良のための基礎的研究として他の種との種間交雑を行った。日向カボチャの'宮崎早生1号'を中心に正逆交雑実験を行ったとき,'クロダネカボチャ'との間に交雑親和性がなく,セイヨウカボチャあるいはその両種の雑種との間では,'宮崎早生1号'を花粉親にしたとき,4つの品種との間に不完全であるが,交雑親和性があり,種子親にしたとき,'久台33号'以外では単為結果しか見られなかった。正逆交配で得られた'宮崎早生1号'×'久台33号'間の雑種の果実の形質は両親の中間で,ブルームも若干あった。予備実験的に行ったRAPD-PCR解析法による雑種検定でも種間雑種であることが示唆された。さらに雑種株を用いて自殖を行ったとき,正常な着果が見られた。
著者
岩本 優衣 後藤 健治 芋縄 有磨 余野 聡一郎 富永 寛 陳 蘭庄
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告. 自然科学編 = Bulletin of Minamikyushu University (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.47, pp.115-123, 2017-04

宮崎県在来野菜の日向カボチャはニホンカボチャ Cucurbita moschataの黒皮品種群に属している。しかし,昭和40年以降はセイヨウカボチャ C. maximaが粉質の肉質と良好な食味で普及し,日向カボチャの栽培面積は減少し,現在は高級和食料亭用として宮崎市と都城の一部で施設栽培が行われているにすぎない。このような状況で本研究室では,2008年度から日向カボチャの代表品種である'宮崎早生1号'とセイヨウカボチャとの種間交雑を行い,着果効率の向上と果実特性の改善を目指してきた。本研究では,2010,2011年度に正逆ともに種子を得られた'久台33号'との種間雑種後代20系統の自殖を行い,同時着果率および糖度測定,食味官能試験,果実形態の調査を行った。同時着果率は2015年度に連作障害や細菌病が発生したことで着果率が低くなったが,2014年度の結果は16系統において同時着果が見られた。自殖により得られた果実の形質は共通として表面にブルームがあり,やや深い溝と凹凸の隆起部が見られ心臓型の果形を示し,果皮色については'久台33号'の形質が現れた。糖度測定・食味官能試験の結果は両年度ともに'宮崎早生1号'よりも糖度が高く,良食味な理想形を有する系統がいくつか得られた。
著者
後藤 健治 程内 ゆかり 松下 恵巳 田中 佑樹 西村 佳子 石井 修平 陳 蘭荘
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告. 自然科学編 (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.61-65, 2013-04

宮崎県在来野菜の日向カボチャはニホンカボチャCucurbita moschataの黒皮品種群に属している。しかし,昭和40年以降はセイヨウカボチャC. maximaが粉質の肉質と良好な食味で普及し,日向カボチャの栽培面積は減少し,現在は高級和食料理亭用として宮崎市と都城市の一部で施設栽培が行われているにすぎない。本研究では,日向カボチャの品種改良のための基礎的研究として他の種との種間交雑を行った。日向カボチャの'宮崎早生1号'を中心に正逆交雑実験を行ったとき,'クロダネカボチャ'との間に交雑親和性がなく,セイヨウカボチャあるいはその両種の雑種との間では,'宮崎早生1号'を花粉親にしたとき,4つの品種との間に不完全であるが,交雑親和性があり,種子親にしたとき,'久台33号'以外では単為結果しか見られなかった。正逆交配で得られた'宮崎早生1号'×'久台33号'間の雑種の果実の形質は両親の中間で,ブルームも若干あった。予備実験的に行ったRAPD-PCR解析法による雑種検定でも種間雑種であることが示唆された。さらに雑種株を用いて自殖を行ったとき,正常な着果が見られた。