著者
新谷 喜紀 田中 誠二 篠田 徹郎
出版者
南九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

昆虫の過変態における遺伝子発現や内分泌機構を調べるために、過変態昆虫の代表であるマメハンミョウについて、同じ温度のもとで光周期だけの違いによって、4齢から5齢への変態(擬蛹化)と4齢からの直接の蛹化を調節できる飼育条件を見つけ出した。このように、擬蛹化と蛹化予定の幼虫を産み出すことが可能になったので、それぞれの幼虫における遺伝子発現の差異をRNA-seqによって調べたところ、コクヌストモドキなどモデル昆虫で知られている変態のキー遺伝子の発現に差異がみられた。
著者
後藤 健治 程内 ゆかり 松下 恵巳 田中 佑樹 西村 佳子 石井 修平 陳 蘭荘
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告. 自然科学編 (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.61-65, 2013-04

宮崎県在来野菜の日向カボチャはニホンカボチャCucurbita moschataの黒皮品種群に属している。しかし,昭和40年以降はセイヨウカボチャC. maximaが粉質の肉質と良好な食味で普及し,日向カボチャの栽培面積は減少し,現在は高級和食料理亭用として宮崎市と都城市の一部で施設栽培が行われているにすぎない。本研究では,日向カボチャの品種改良のための基礎的研究として他の種との種間交雑を行った。日向カボチャの'宮崎早生1号'を中心に正逆交雑実験を行ったとき,'クロダネカボチャ'との間に交雑親和性がなく,セイヨウカボチャあるいはその両種の雑種との間では,'宮崎早生1号'を花粉親にしたとき,4つの品種との間に不完全であるが,交雑親和性があり,種子親にしたとき,'久台33号'以外では単為結果しか見られなかった。正逆交配で得られた'宮崎早生1号'×'久台33号'間の雑種の果実の形質は両親の中間で,ブルームも若干あった。予備実験的に行ったRAPD-PCR解析法による雑種検定でも種間雑種であることが示唆された。さらに雑種株を用いて自殖を行ったとき,正常な着果が見られた。
著者
宮内 孝
出版者
南九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、ボールが捕れない原因として「飛んでくるボールへの恐怖心がある。」「ボールの軌道の先読みができずに落下点に移動できない。」「捕球するためのからだの動かし方や動きの感じがわからない。」の三つを取り上げ、その原因の解消を意図した教材づくりに取り組んだ。まずは、「トンネルコロコロ・キャッチゲーム」「キャッチゲーム」「リングバウンド・キャッチⅠ,Ⅱ」を考案し、その教材を用いた授業実践とその教材の有効性を確認した。さらには、捕球が苦手な児童の立場からドッジボール教材の価値を再考し、本研究で取り上げた教材等を配列したドッジボールの教材配列を提示した。
著者
与那嶺 かおる 城島 十三夫
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告 自然科学編 (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.35, pp.25-34, 2005-04
被引用文献数
1

新しい導入野菜、リーフレタス(Lacuca saiva var.crispa)およびチコリー(Cichorium inybus)のreviso ypeとwiloof ypeを新しいJAS規格による有機栽培を行い、それぞれの生育と収量について検討した。1.11月中旬に播種したリーフレタス"チマ・サンチュ""の2月-4月(実質2.5ヶ月)収量は有機液肥コーン・スティープリカー(ネイチャーエイド)を主に施用したNA区とこれに有効微生物を混用したNAH区が優れ、試験区実面積m(2)当たり約700枚、6kgの高収量であった。化学液肥で栽培したCHF区において2月下旬から白絹病が発生し、4月中旬までに50%-75%の株が枯死した。NA区およびNAH区においては、全く発病は見られなかった。2.同時期に栽培したrebiso ypeのチコリー"トレビス・ビター""は高温期の収穫となったために生育が劣り、収穫率は、NA区(81%)で高く、NAH区(68%)、CHF区(43%)の順で収穫量もこれに準じた。葉色の赤色の度合いを示す色値a値は、NA区(7.72)が最も高く、NAH区(6.43)、CHF区(4.73)の順で、収量、葉色ともにNA区が優れた。3.wiloof ypeチコリー"JS36""の根株養成期においてCHF区は茎葉の生育は優れたものの肥大根の生育が劣り、NA区は茎葉が過繁茂とならず、肥大根の生育が優れた。軟白に使用された根株の調製重と、収穫されたチコンの重量との間に正の相関が認められた。
著者
岩本 優衣 後藤 健治 芋縄 有磨 余野 聡一郎 富永 寛 陳 蘭庄
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告. 自然科学編 = Bulletin of Minamikyushu University (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.47, pp.115-123, 2017-04

宮崎県在来野菜の日向カボチャはニホンカボチャ Cucurbita moschataの黒皮品種群に属している。しかし,昭和40年以降はセイヨウカボチャ C. maximaが粉質の肉質と良好な食味で普及し,日向カボチャの栽培面積は減少し,現在は高級和食料亭用として宮崎市と都城の一部で施設栽培が行われているにすぎない。このような状況で本研究室では,2008年度から日向カボチャの代表品種である'宮崎早生1号'とセイヨウカボチャとの種間交雑を行い,着果効率の向上と果実特性の改善を目指してきた。本研究では,2010,2011年度に正逆ともに種子を得られた'久台33号'との種間雑種後代20系統の自殖を行い,同時着果率および糖度測定,食味官能試験,果実形態の調査を行った。同時着果率は2015年度に連作障害や細菌病が発生したことで着果率が低くなったが,2014年度の結果は16系統において同時着果が見られた。自殖により得られた果実の形質は共通として表面にブルームがあり,やや深い溝と凹凸の隆起部が見られ心臓型の果形を示し,果皮色については'久台33号'の形質が現れた。糖度測定・食味官能試験の結果は両年度ともに'宮崎早生1号'よりも糖度が高く,良食味な理想形を有する系統がいくつか得られた。
著者
後藤 健治 程内 ゆかり 松下 恵巳 田中 佑樹 西村 佳子 石井 修平 陳 蘭荘
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告. 自然科学編 (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.61-65, 2013-04

宮崎県在来野菜の日向カボチャはニホンカボチャCucurbita moschataの黒皮品種群に属している。しかし,昭和40年以降はセイヨウカボチャC. maximaが粉質の肉質と良好な食味で普及し,日向カボチャの栽培面積は減少し,現在は高級和食料理亭用として宮崎市と都城市の一部で施設栽培が行われているにすぎない。本研究では,日向カボチャの品種改良のための基礎的研究として他の種との種間交雑を行った。日向カボチャの'宮崎早生1号'を中心に正逆交雑実験を行ったとき,'クロダネカボチャ'との間に交雑親和性がなく,セイヨウカボチャあるいはその両種の雑種との間では,'宮崎早生1号'を花粉親にしたとき,4つの品種との間に不完全であるが,交雑親和性があり,種子親にしたとき,'久台33号'以外では単為結果しか見られなかった。正逆交配で得られた'宮崎早生1号'×'久台33号'間の雑種の果実の形質は両親の中間で,ブルームも若干あった。予備実験的に行ったRAPD-PCR解析法による雑種検定でも種間雑種であることが示唆された。さらに雑種株を用いて自殖を行ったとき,正常な着果が見られた。
著者
升岡 繁 西村 佳子 高畑 康浩 陳 蘭庄
出版者
南九州大学
雑誌
南九州大学研究報告. 自然科学編 = Bulletin of Minamikyushu University (ISSN:1348639X)
巻号頁・発行日
no.46, pp.41-48, 2016-04

アポミクシスは母親の遺伝子型だけが子供に伝わる生殖である。この形質を実用すれば,一代雑種の固定や栄養繁殖性植物の種子繁殖性植物への転換が可能になるなど,「緑の革命」以上の経済効果が期待される。本研究室では,アポミクシス性ギニアグラスからアポミクシス性特異的遺伝子(ASG-1)をクローニングしている。ASG-1の機能解析を行うため,栄養繁殖性植物のサツマイモへの遺伝子導入実験を実施している。本研究では,サツマイモの遺伝子導入実験をネッパジーン社の装置を用いて,種子を使って行うことを目標としているが,最初の取り組みとしてまず,コダチアサガオを用いたサツマイモとの接ぎ木を行い,サツマイモ品種の「コガネセンガン」,「ナルトキントキ」,「ベニアズマ」を掛け合わせ,獲得した種子にレポーター遺伝子であるGUSを導入する実験を実施した。その結果,1) 交雑和合性によるサツマイモ品種の選別: 九州沖縄農業研究センターの判断基準に照らして6つの品種・系統の中から3つの品種を選定することができた。2) 花粉親と種子親の選別による種子結実: 今回接ぎ木で使用したサツマイモの3品種について,正逆交雑によって種子生産を目的とした実験で,それぞれコガネセンガン・ベニアズマ・ナルトキントキの種子を獲得できた。3) 種子への直接遺伝子導入実験: エレクトロポレーションによる種子への直接遺伝子導入を行い,遺伝子導入の有無についてGUS染色を行ったところ,施したすべての条件下で,初めてサツマイモの種子および幼苗を用いたが,いずれもGUSの発現が認められた。今後はGUS発現が認められた条件下でpWI-H5Kを用いてジェネティシンによる植物体作出のための選抜を行っているところである。
著者
林 典生
出版者
南九州大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

手のひらを用いた園芸活動評価システム構築を目指すとともに、活動現場における園芸活動システム活用の可能性について検討した。その結果、園芸活動の効果を引き出すのは情報共有であることが明らかになり、園芸活動は利用者を中心として、様々な分野の人が関わるチームアプローチであり、その中でコミュニケーション、コラボレーション、コーディネーションの3つの視点が必要である。その視点がないと園芸活動評価システムを構築しても活用が難しいことが明らかになった。