著者
井上 康博 船山 典子 近藤 滋 新美 輝幸 大澤 志津江 小沼 健 秋山 正和 山崎 慎太郎 田尻 怜子 後藤 寛貴
出版者
京都大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2020-11-19

細胞は、素材によって工法を選び、組み立てることで「体」を建築する。本領域では、この素材の加工という新しいパラダイムを提示することで、後期発生以降の形態形成の原理に挑む。このパラダイムは「工業」そのものであるため、工業デザイン技術の生物への応用と、生物で得られた知見の産業応用が期待できる。この目的のために、総括班は、様々な分野の実験系と理論系の融合推進、異分野からの若手研究者の参入支援など、領域推進の司令塔としての機能を担う。
著者
近藤 滋 後藤 寛貴
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

研究はカブトムシとツノゼミの2つを対象にして、原基折り畳みと成虫の3D形態との関係の解明を目指している。カブトムシ:28年度の主な進展は、角原基の折り畳み構造が、蛹角の完全な3Dを内包していることを証明できたことである。実験は3通りの方法で行った。まず、終齢幼虫の頭の殻を取り除き、腹に圧力を与えることで、原基が膨らみ、蛹角の形状になることを証明した。次に、その変形に細胞シートの伸展が関与していないことを証明するため、原基を切り出し、ホルマリンで固定したのちシリコンチューブに固定し、空気を送り込んで膨らますことで、正確な蛹角ができることを示した。最後に、連続切片から取得した原基の折り畳み形状を、計算機の中で膨らませることでも、同じ変形が起きた。この結果から、蛹角の完全な3D構造は、角原基の折り畳みにコードされていることが完全に証明された。(論文審査中)ツノゼミ:コスタリカに研究員を派遣し、最も注目しているヨツコブツノゼミの採集に成功している。また、羽化直前の幼虫も少数ながら確保しX線CTにより、折り畳み形状のデータを取得できた。まだ、解析は十分ではないが、多種多様の形状を見せるツノゼミのツノが、基本的には似た折り畳み様式を持っていることが示唆され、今後の研究の指針が得られた。技術的な進展:カブトムシ、ツノゼミともに、原基の3D形状のデータ取得方法の試行錯誤に多くの時間を費やしたが、その成果は十分にあり、今後の研究の加速が期待できる。