6 0 0 0 OA 歴史のなかの入会・入会権
- 著者
- 後藤 正人
- 出版者
- 中日本入会林野研究会
- 雑誌
- 入会林野研究 (ISSN:2186036X)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.6-10, 2019 (Released:2020-05-04)
民法の物権として保障されている入会権の概念をめぐって、その内容的理解が希薄になっている。入会・入会権は、歴史的に共同「所有」・共同労働を基礎とする平等な権利を有する入会権者たちによって担われている。その起源は、稲作社会の定着につれて、中世社会に淵源を持つ。近世社会では入会権者たちによる共同所持・共同労働を基礎とする所持的入会権と、領主の林業直営地などに成立する地役的入会権がある。近代に入り、所持的入会権は私的所有地としてなかなか認められなかった。法律上は明治民法の物権編で認められていくが、官有地編入処分や入会林野統一政策によって入会権や入会地は多かれ少なかれ攻撃を受けたが、入会集団は粘り強く入会地の確保に努めてきた。戦後、日本国憲法によって主権者の地位を獲得した入会集団達には、所謂「入会林野近代化法」によって、生産森林組合等に組織変更することが生じた。しかし政府の「外材依存政策」によって木材価格の低迷下に悩んでいるのが現状である。未だ100万町歩程の大小入会地が存在するようである。入会権を維持しつつ地域民衆へ開かれた、豊かな利用が展開されるならば、入会地は永遠の生命を有するであろう。
2 0 0 0 OA 享保5年、上総国市原、武蔵国都筑、常陸国多珂各郡下の入会紛争
- 著者
- 後藤 正人
- 出版者
- 中日本入会林野研究会
- 雑誌
- 入会林野研究 (ISSN:2186036X)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.53-59, 2019 (Released:2019-05-24)
江戸幕府の評定所による民事判決集が収録された『裁許留』には享保5年以来の入会裁判が数多く収録されている。本稿では現在で言えば、千葉県市原市、神奈川県横浜市、茨城県北茨城市における3件の入会紛争を検討した。全体的に言えば、当時は木材需要が増し、領主からの山年貢などの負担が発生ないし負担増が起こることを契機として、入会集団間の紛争が生じたり、「所持的入会権者」による植林が起こり、「地役入会権者」の利用を制限するような中で、評定所への訴えが生じている。評定所の審理では、両当事者の訴えや弁明を記録すると共に、特に書面による証拠を重視した。これで判明しない場合は、論所へ地方の幕府代官2名の各手代計2名を派遺して検分させ、かつ在地の関係史料を検討させて報告させている。当時の評定所では勘定奉行・町奉行・寺社奉行各1名が実質的な審理を行い、その審議結果を3奉行10名全員で確認した上で裁許したものと思料される。従って評定所では「裁判官全員による合議制」が一応採用されていたことが確認される。
1 0 0 0 OA 入会権・入会集団の変遷について 兵庫県丹波市の「入会顕彰碑」をてがかりに
- 著者
- 後藤 正人
- 出版者
- 中日本入会林野研究会
- 雑誌
- 入会林野研究 (ISSN:2186036X)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, pp.5-12, 2012 (Released:2021-04-08)
1 0 0 0 OA 軟らかい砂質土を走行する車輪の解析(相互作用による砂質土の流動について)
- 著者
- 山川 淳也 後藤 正人 江藤 亮輔
- 出版者
- 一般社団法人 日本機械学会
- 雑誌
- 日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
- 巻号頁・発行日
- vol.83, no.852, pp.17-00188-17-00188, 2017 (Released:2017-08-25)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
- 1
Soil-vehicle interaction is an important factor for predicting trafficability of off-road vehicles. Tractive forces on the wheel to drive the vehicle can be estimated by soil deformation analysis around the contact area of the wheel. Sand deformation and flow under a rolling wheel with slippage were observed from the side through a transparent acrylic wall by 2-dimensional Particle Image Velocimetry (PIV) method. The flow velocities of sand particles obtained on allocated grids revealed that periodic fluctuations of sand flow make ripple patterns on the sand surface behind the wheel. We discussed the effect of wheel slip ratios on the density of the ripples, sinkage, drawbar pull, torque and the depth of influence for the traveling wheel. The result showed that the slipping wheel forms a ripple with each scratch by the wheel rotation corresponding to the front half contact length with sand. The thickness of sand flow layer under the wheel showed thinner for large slip ratios. The finite element method was also conducted to simulate the traveling wheel experiment to discuss the possibility of the numerical simulation. The result of simulation qualitatively reproduced the experiment. However, there was a quantitative difference on the drawbar pull of the wheel, which shows that the method needs modification on the numerical model.
- 著者
- 後藤 正人
- 出版者
- 法制史学会
- 雑誌
- 法制史研究 (ISSN:04412508)
- 巻号頁・発行日
- vol.1981, no.31, pp.232-233, 1982-03-30 (Released:2009-11-16)