著者
後藤 正徳 佐藤 充 中島 耕太 久門 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.287, pp.7-12, 2006-10-06
被引用文献数
8

近年のPCクラスタで使用されているインタコネクトは高性能化し,メモリバンド幅のスループット性能に近付きつつある.そこで,我々は高速インタコネクトを使用し,遠隔ノードのメモリをスワップとして用いる遠隔スワップメモリ技術の実現可能性を検討している.評価を行うために,我々は遠隔スワップメモリシステムNuzuraを実装した.Nuzuraは10Gb Ethernet上でRDMAを実現するNIC UZURAと,これを用いたネットワークブロックデバイスRNBDをスワップデバイスとして用いる.評価に際しては,本システム上で搭載メモリの数倍を要求する複数のHPCアプリケーションを実行し,性能を測定した.実験結果から,アプリケーションのメモリアクセスパターンや遠隔スワップメモリの使用比率に応じて性能オーバヘッドが異なることを示した.また,ページ置換方式の変更によって姫野ベンチマークの性能が4倍近く向上することを示した.
著者
中島 耕太 佐藤 充 後藤 正徳 久門 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.287, pp.1-6, 2006-10-06

大容量のデータ転送を伴うXen仮想マシンモニタの仮想マシン移動処理に10Gb Ethernet-NIC UZURAのRDMA転送を適用し,評価した.仮想マシン移動処理の高速化のためには,ネットワークハードウェアの高速化やプロトコル処理オフロードだけでなく,転送処理を制御するアプリケーション処理の最適化が必要である.そこで,RDMA転送の適用に際し,実際の仮想マシン移動における転送処理時間を解析し,アプリケーション処理の最適化について検討を行った.そして,検討した高速化を実際に適用し,評価した.その結果,10Gb Ethernetを用いても,通常のTCP/IP通信を用いた場合(98.4MB/s)やRDMA転送を単純に適用した場合(200MB/s)では,Gigabit Ethernetを用いた場合(82.9MB/s)に対して十分な高速化が実現できないのに村し,アプリケーション処理の最適化を適用した場合では405MB/sとなり,4.89倍の性能向上を実現した.