- 著者
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桜井 宏紀
後藤 研也
武田 享
- 出版者
- 岐阜大学
- 雑誌
- 岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, pp.37-45, 1983-12-15
ナナホシテントウの野外における発生状況を知るため,翅鞘の色彩および卵巣の発達度の季節的変化を中心として,成虫個体数の年間の変動を検討した。新成虫は晩春(第1世代),秋(第2世代)および初冬と3回の発生がみられた。第1世代成虫は6月下旬より一斎に夏眠に入り,雑草の根元で休眠した。一方第2世代成虫は12月下旬より越冬に入るが,真冬でも晴れた温暖な日には活動個体が野菜畑の周囲で観察された。翅鞘の色彩および卵巣の発達度から,初冬にみられる新成虫の発生は少数個体によるもので,第3世代個体とみなされないように思われた。そして翅鞘の色彩の程度とアラタ体の大きさの間には相関がみられることから,世代の重なり合う時期における成虫の令を推定するのに,翅鞘の色彩は卵巣発育とともに有効な指標であることが示された。