著者
真覚 健 後藤 萌
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.107-107, 2009

微笑み表情に対応した口角を引く顔面運動が、ポジティブな感情変化をもたらすかを検討した。まず、10枚の人物を含んだ写真の印象評定を行い、次に顔面運動として、口角を引く運動を伴う「イ」段の発音課題と口をとがらせる運動を伴う「ウ」段の発音課題とをそれぞれ20名の女子大学生に行った。その後、別の10枚の人物を含んだ写真の印象評定を行い、「イ」段発音課題群と「ウ」段発音課題群で写真の印象評定に差が見られるかを検討した。その結果、「楽しい」印象で「イ」段発音課題群は有意に高い評定値を示し、「かわいい」「好き」印象では有意な傾向が示された。微笑み表情に対応した口角引き顔面運動がポジティブな感情変化をもたらすという顔面フィードバック仮説を支持する結果が得られた。