著者
御子貝 良太 新津 善弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.447, pp.133-137, 2008-01-17

近年,誰もがいつでもネットワークにつながり利用できるユビキタス・サービスを実現する重要要素としてRFID (Radio Frequency Identification)が注目されている.今後,RFIDのタグの標準化の規格が決まり,タグの低価格化が進むことで,私たちの身の回りの様々な物にRFIDのタグが付与されることが期待されている.しかし,RFIDタグが増え続けることによって,タグが読み込まれた際のイベントが増加し,膨大な量のデータのやり取りが発生することが予想されている.本稿では,従来のRFIDシステムで用いられていたサーバ集中型の処理方法のかわりに,P2Pネットワークを用いてRFIDリーダ自身が情報を保持し管理することで,サーバに集中していた負荷を分散し,リアルタイムに起こるイベントに対応するRFIDシステムを実現するための構成法を提案し,その有効性を示すとともに,適用領域を明らかにした.