- 著者
-
徳永 澄子
- 出版者
- 信州大学
- 雑誌
- 奨励研究
- 巻号頁・発行日
- 2014-04-01
<本研究目的と実施>近年、図書館や博物館、美術館において資料のデジタルアーカイブ化が進んでいる。資料の保存の他に広く閲覧性を高めることで、市民や学生、研究者の利用促進を図り、より高度で多様な文化の理解や創造のために図書館や博物館、美術館の利用を促進することが目的である。研究者や学生のみならず、特に市民に対して誰もがいつでもどこでも自由に学習して学ぶことのできる開かれたデジタルアーカイブは生涯学習社会を支える基盤となる。しかし、多様な学習ニーズ・学習レベルが混在する市民の生涯学習に対して、一次資料、二次資料のみ提供を行うデジタルアーカイブでは充分な情報を提供しているとは言い難く、生涯学習を実践する市民から十分に活用されているとは言えない。そこで、本研究では市民参加型のデジタルアーカイブの構築を通して市民の生涯学習をより支援するため、デジタル化された資料と市民を有機的に結合するデジタルアーカイブシステムの研究開発を目的とする。(1)デジタルアーカイブを単純に掲示するのではなく閲覧性を高めるシステムの開発(2)デジタルアーカイブの横断的な利用を可能とするインターフェース、および、専門家や図書館員等の専門職員が所蔵するデジタルアーカイブに対して、一般的なメタデータ以外の多様で様々な関連した情報を自由に掲示できるシステムの開発<研究成果>(1)地図表示アプリケーションを利用したサーバーインストール型高精細画像閲覧ビューワーを開発し安定運用が可能となった。画像回転機能を開発し立体・地図など図書館等の収蔵物画像の閲覧性が高まった。(高精細画像閲覧ビューワーアプリケーション)(2)図書館等の収蔵物画像の任意の箇所にコメントを記述できるツールを開発し実装した。Facebookアカウントをもつ市民や学生、研究者がコメント等の付帯情報を記述でき、意見交換する環境ができた。(付帯情報掲示ツール)