著者
山根 逸郎 筒井 俊之 志村 亀夫 濱岡 隆文
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.645-649, 2007-09-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
17

酪農家を対象にSalmonella Typhimurium (ST) による成牛型サルモネラ症の発生に関わる飼養管理要因について, 症例対照研究を応用して解析を行った. ST発生農家におけるST保菌牛割合の平均は37%(95%信頼区間; 18.4-55.8%) であった. 調査した要因のうち「飼槽の表面材質がコンクリートである」, 「餌槽と牛床間の仕切版がない」, 「連続水槽を用いている」, 「搾乳施設床面の消毒をまったく行わない」農家においてST発生のオッズ比が高かった. 今後, これらの飼養管理要因をコントロールすることにより, STによる損耗を減少させることが期待される.