著者
鈴木 弘司 志村 連
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_971-I_980, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本研究では,複数の大規模交差点で観測調査を行い,挙動データに基づき自転車と右左折車の交錯危険性を分析した.まず,交差点構造と自転車の危険行為の関係について相関分析した結果,左折角が大きく,横断歩道設置角が小さい場合に自転車は横断歩道外側の車道を通行する傾向があることを示した.次に,PET指標に基づく分析より,左折車と自転車の交錯頻度は横断歩道,エリアによって異なり,右折車との交錯ではエリアによる差異がないことを示した.また,判別分析の結果より,危険な交錯事象の発生要因として,横断歩道のセットバック長が長いこと,青開始後の経過時間が長い自転車の交差点進入が影響を与えていること等がわかった.また構築したモデルの感度分析より,セットバック長の縮小に伴う危険事象発生予測率の減少傾向を確認した.