著者
村井 宏徳 加藤 明里 神戸 信人 高瀬 達夫 鈴木 弘司 森田 綽之
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.B_67-B75, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
2

宮崎県児湯郡川南町の一般国道 10 号には,沿道商業施設の往来等から,乱横断する歩行者・自転車が多く,死亡事故が発生する単路区間が存在していた.このため,交通安全対策として,我が国で初めて信号機を設置せず,横断歩道を食い違いに配置した無信号の食い違い二段階横断施設が導入された.本研究は,我が国で初めて導入された,この二段階横断施設の導入効果を明らかにするために,導入前後に実施した各種調査の結果を用いて,二段階横断施設の安全性,円滑性の評価と,横断特性の変化を分析した.分析の結果,二段階横断施設の利用者が増加して乱横断が減少し,車両と接近した横断の減少や横断待ち時間の短縮等の安全・円滑面の効果が確認できた.また,歩道部より横断待ち時間が短縮する等の食い違い二段階横断の特性が確認できた.
著者
黄 明霞 藤田 素弘 鈴木 弘司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.20-30, 2015

本研究では,カウント表示式信号機下の車両挙動として,カウント表示や監視カメラの有無などの異なる条件の中国8交差点の観測調査データに基づき,特に停止通過の車両挙動分析を行った.そして青から赤への信号切替時での車両挙動の重回帰モデル等を構築する.その結果,カウント表示がある交差点では無い交差点よりも,30-50m程度手前から減速し,最大減速度も小さくなり,停止傾向も強いことがわかった.また通過時はカウント表示有りのほうが,最大加速度や交差点進入速度が有意に小さくなることが確認できた.交差点特性として,監視カメラによる赤信号無視の取り締まりのある交差点が多いことや全赤時間が設定されていないこと及び,90m手前あたりからカウント表示が確認できるという条件の下で,カウント表示式信号機の安全特性がわかった.
著者
鈴木 弘司 志村 連
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_971-I_980, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本研究では,複数の大規模交差点で観測調査を行い,挙動データに基づき自転車と右左折車の交錯危険性を分析した.まず,交差点構造と自転車の危険行為の関係について相関分析した結果,左折角が大きく,横断歩道設置角が小さい場合に自転車は横断歩道外側の車道を通行する傾向があることを示した.次に,PET指標に基づく分析より,左折車と自転車の交錯頻度は横断歩道,エリアによって異なり,右折車との交錯ではエリアによる差異がないことを示した.また,判別分析の結果より,危険な交錯事象の発生要因として,横断歩道のセットバック長が長いこと,青開始後の経過時間が長い自転車の交差点進入が影響を与えていること等がわかった.また構築したモデルの感度分析より,セットバック長の縮小に伴う危険事象発生予測率の減少傾向を確認した.
著者
坂本 淳 藤田 素弘 鈴木 弘司 三田村 純
出版者
Geographic Information Systems Association
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-19, 2006-06-30 (Released:2009-05-29)
参考文献数
9

Natural disaster might cause traffic congestion, changing traffic network. In this paper, we propose the way of developing the road condition analysis, animated traffic simulations of GIS and apply to the traffic situation under the Tokai downpour by using travel survey and tachometer of the drivers who had been driving under the disaster, from 9.11 to 9.12, 2000. As a result, it was revealed that many drivers who had driven at that time had involved chronic traffic jam and it took many hours to reach to destination.
著者
村井 宏徳 加藤 明里 神戸 信人 高瀬 達夫 鈴木 弘司 森田 綽之
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.B_67-B75, 2017

<p>宮崎県児湯郡川南町の一般国道 10 号には,沿道商業施設の往来等から,乱横断する歩行者・自転車が多く,死亡事故が発生する単路区間が存在していた.このため,交通安全対策として,我が国で初めて信号機を設置せず,横断歩道を食い違いに配置した無信号の食い違い二段階横断施設が導入された.本研究は,我が国で初めて導入された,この二段階横断施設の導入効果を明らかにするために,導入前後に実施した各種調査の結果を用いて,二段階横断施設の安全性,円滑性の評価と,横断特性の変化を分析した.分析の結果,二段階横断施設の利用者が増加して乱横断が減少し,車両と接近した横断の減少や横断待ち時間の短縮等の安全・円滑面の効果が確認できた.また,歩道部より横断待ち時間が短縮する等の食い違い二段階横断の特性が確認できた.</p>
著者
三田村 純 藤田 素弘 鈴木 弘司 鏡味 志津枝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.997-1007, 2008
被引用文献数
1

本研究では、名古屋市域へ公共交通機関を利用して通勤する市民が多く、2000年の東海豪雨で被害の大きかった東海市・大府市を対象として、当日の豪雨下の帰宅行動を、徒歩・公共交通機関利用者を中心にアンケート調査を実施し、このデータに基づいて帰宅状況を分析した。本研究の結果から、徒歩・公共交通機関利用者の多くが、鉄道等の運休に伴う宿泊地の変更や徒歩での帰宅を余儀なくされ、困難な帰宅行動を経験したことが明らかになった。また、困難な帰宅行動を経験した人ほど、集中豪雨に対する心掛けや情報提供サービスに対する関心が高いことが分かった。将来豪雨時に自宅へ帰るか、帰らず他に宿泊するかの、徒歩公共交通・帰宅行動選択モデルを構築したところ、本研究においては、移動距離、地下鉄乗車時間、集中豪雨の重要情報入手タイミングなどの変数が無理な帰宅をしない変数として重要であることが分かった。これらの徒歩公共交通利用者の帰宅行動特性を周知した上で、適格な情報を帰宅時間帯よりも早く流すことができれば、減災対策として有効であろうと思われる。
著者
鈴木 弘司 藤田 素弘
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.42, 2007

本研究では,改正道路交通法施行前後において駐車違反取締り重点地域・重点地域外の住民を対象としたアンケート調査を実施し,法改正により路上駐車に対する意識および行動がどのように変化したかを把握した.その結果,改正道交法は,高齢者や重点取締り地域の住民に高く評価されている一方で,短時間の路上駐車をするものや都心部への移動が業務目的であるものは,本法に対する評価が低いことが明らかとなった.交通行動の変化については,法改正に対する評価が低いものは交通行動を変化させず,都心部にあまりいかないものは自動車利用を控え,公共交通などへの手段変更を行うことが示された.さらに普段の路上駐車時間が短いもの,都心部移動目的が業務であるものは時間貸し駐車場を探す傾向にあり,駐車取締りを常に意識するものは慎重に路上駐車スペースを探すようになるなど,法改正前後の交通行動の変化とその要因が明らかとなった.さらに,利用者の評価および自宅周辺での路上駐車実態から,駐車違反取締り重点地域や時間帯の設定について更なる検討が必要であることがわかった.
著者
坂本 淳 藤田 素弘 鈴木 弘司 三田村 純
出版者
Geographic Information Systems Association
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-19, 2006

Natural disaster might cause traffic congestion, changing traffic network. In this paper, we propose the way of developing the road condition analysis, animated traffic simulations of GIS and apply to the traffic situation under the Tokai downpour by using travel survey and tachometer of the drivers who had been driving under the disaster, from 9.11 to 9.12, 2000. As a result, it was revealed that many drivers who had driven at that time had involved chronic traffic jam and it took many hours to reach to destination.
著者
坂本 淳 藤田 素弘 鈴木 弘司 三田村 純
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS : 理論と応用 = Theory and applications of GIS (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-19, 2006-06-30
参考文献数
9
被引用文献数
1

Natural disaster might cause traffic congestion, changing traffic network. In this paper, we propose the way of developing the road condition analysis, animated traffic simulations of GIS and apply to the traffic situation under the Tokai downpour by using travel survey and tachometer of the drivers who had been driving under the disaster, from 9.11 to 9.12, 2000. As a result, it was revealed that many drivers who had driven at that time had involved chronic traffic jam and it took many hours to reach to destination.