- 著者
-
窪田 敬士
志賀 正和
- 出版者
- 日本応用動物昆虫学会
- 雑誌
- 日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.1, pp.51-58, 1995-02-25
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
2
7
5種クサカゲロウ(ヤマトクサカゲロウ,<i>Mallada alcestes</i>,カオマダラクサカゲロウ,ヨツボシクサカゲロウ,クモンクサカゲロウ)のコクヌストモドキ卵を幼虫期の餌とする累代飼育法が確立した。成虫は,酵母自己消化物(Amber BYF Series 100<sup>®</sup>もしくはAY-65)と蜂蜜の2:3(重量比)混合物か,ジャガイモ芽だしに集らせたモモアカアブラムシを餌として使い,飼育・採卵できた。5種のうち,ヤマトクサカゲロウと<i>M. alcestes</i>がこの餌での大量増殖に適していると考えられた。飼育温度26±0.5°C,光周期16L-8D,幼虫期の餌がコクヌストモドキ卵,成虫期の餌がAmber BYF Series 100<sup>®</sup>と蜂蜜の混合物という同一条件で,ヤマトクサカゲロウと<i>M. alcestes</i>を飼育し,内的自然増加率を求めた。ヤマトクサカゲロウが<i>r<sub>m</sub></i>=0.12, <i>M. alcestes</i>が<i>r<sub>m</sub></i>=0.09であり,大差ではなかった。上述の酵母自己消化物(特にAY-65)と蜂蜜の混合物は,肉食性のヨツボシクサカゲロウ成虫の飼育・採卵用の餌としても有効であることがわかった。