著者
橋本 成仁 恒藤 佑輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_1291-I_1299, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1

地域住民が生活交通の運営に参加もしくは主体となって運営を行うという取り組みが全国的に行われている.本研究では,このような住民主体の生活交通運営を行ている地域において,現時点では最も多く利用する交通手段が自動車である住民に着目した.その住民にとってこの取り組み自体が,暮らしにおける満足度,ひいては主観的幸福感とどのように関係しているか,近年関心が高まっている運転免許返納意向と関連させたうえで意識やその構造を分析した.この結果,最も多く利用する交通手段が自動車である人々にとって,住民主体での生活交通運営に対する支援意識は,運転免許返納意向と関連しており,そのうえで支援を行っていくことは,かかわった住民の主観的幸福感向上にポジティブな影響を与えている可能性を明らかにした.