著者
辻田 誠 押谷 創 杉山 豊 三村 哲史 浅野 靖之 成瀬 友彦 平山 幹生 渡邊 有三
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.403-408, 2009-05-28 (Released:2009-08-11)
参考文献数
12

ギラン・バレー症候群(以下GBS)は,急速に進行する四肢筋力低下を主症状とするニューロパチーである.一般的にGBSの治療については,単純全血漿交換(以下PE)や免疫グロブリン大量療法(以下IVIg,400mg/kg/日×5日間)が推奨されており,その効果は同等とされている.しかし,維持透析患者に合併する症例数は少なく治療方針についても一定の見解が得られていない.われわれは,GBSと診断された維持透析患者4症例を経験した.2症例に対しては,第一選択で施行したIVIgで効果がなく,PEを施行したところ,施行直後より筋力の改善を認めた.残りの2症例ではPEを第一選択とした.4症例ともにPE施行後順調な経過をたどった.維持透析患者のGBSの治療にはIVIgよりPEが有効であると考えられる.
著者
岡田 由紀子 押谷 創 杉山 豊 三村 哲史 浅野 靖之 辻田 誠 渡部 啓子 成瀬 友彦 佐々木 洋光 渡邊 有三
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.249-253, 2009-03-30 (Released:2010-03-01)
参考文献数
12
被引用文献数
4

症例は58歳,女性.47歳より糖尿病を指摘され,52歳からインスリン(ペンフィル30R®)を使用していた.53歳で血液透析を導入し,57歳で右下肢切断術を行った際,血糖コントロール不良でインスリン抗体68.8%, HbA1c 13.3%であった.インスリンリスプロに変更し,血糖コントロールは改善した.今回,急性腹症で来院し穿孔性腹膜炎の診断で緊急入院手術となったが,術後遷延性低血糖と高血糖を呈した.インスリン製剤の変更,ステロイドの併用,二重膜濾過(DFPP), pioglitazoneの併用などを試みたが血糖コントロールは改善せず.インスリンとは異なる機序の血糖降下作用をもつIGF-1製剤メカセルミン(ソマゾン®)を使用し,コントロールを得た症例を経験したので報告する.