著者
窪田 昌春 我孫子 和雄 石井 正義
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.437-440, 1996-08-25
被引用文献数
2

In October 1994, sprouting inhibition of anemone (Anemone coronaria L.) tuber was found at Tsu city. One species of Rhizopus was isolated from the affected tuber. The morphological characteristics and optimum temperature of mycelial growth of the fungus closely fit the C.M.I. descriptions of Rhizopus oryzae Went et Prinsen Geerligs. The pathogenicity of this isolate to anemone tubers was confirmed and the disease was named tuber rot. This is the first report of tuber rot of anemone caused by R. oryzae in Japan.
著者
白川 隆 我孫子 和雄
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
巻号頁・発行日
no.4, pp.29-37, 2005 (Released:2011-03-05)

野菜苗または野菜種子に接種した大腸菌の動態を解析した。その結果,ほぼ全ての野菜種子でその発芽時に大腸菌が,種子浸漬液中で増殖した。また,4科8種の実生幼苗を供試して子葉表面での大腸菌の増殖を検討した結果,高湿度条件下で全ての子葉上における増殖を確認した。さらに,6科15種の実生苗の胚軸における大腸菌の増殖を検討した結果,全実生苗の胚軸組織で大腸菌の増殖を認めた。以上のことから,湿度条件などの環境条件が増殖に好適であれば,大腸菌は,ほぼ普遍的に実生幼苗の植物体表面及び組織内で増殖するものと考えられた。
著者
岸 国平 我孫子 和雄 高梨 和雄 矢野 龍
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.288-296_2, 1973

1. 黄色網斑病はスモモのホワイトプラム,Methley, Burbank, Hungarian-prune, Red June, Beauty, Santa Rosa,大石早生などの品種およびサクラの染井吉野,孫普賢,嵐山,類嵐,関山などの品種に自然発生が認められた。<br>2. 本病は接木によってスモモおよびサクラから,モモ,ウメ,アンズ,スモモ,サクラ,オウトウなどに伝染した。<br>3. 本病はスモモおよびサクラではyellow vein net, yellow line pattern, chlorotic ring spot, chlorotic spotなどの症状を示し,モモ,アンズ,オウトウなどでは主としてline patternを,ウメではyellow vein netおよびline patternを生ずるとともに著しい萎縮症状を示した。<br>4. 本病罹病樹からは1種の汁液伝染性ウイルスが分離されたが,本ウイルスはキュウリの接種葉にlocal lesionを生ずるのみでGatjang,ペチュニア,<i>N. tabacum, N. megalosiphon, N. glutinosa, C. amaranticolor, C. quinoa</i>などFulton, Kirkpatrickらがplum line pattern virusの寄主として報告した植物に感染しなかった。<br>5. 本病およびリンゴモザイク病はともにクサボケに伝染し,きわめて類似した症状を示したが,本病はリンゴに感染せず,またリンゴモザイク病はモモに発病しなかった。
著者
我孫子 和雄
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.49-52, 1978-03-31 (Released:2012-10-29)
参考文献数
8
被引用文献数
1

トマトうどんこ病の発病に及ぼす温度ならびに湿度の影響について実験を行ない, 次の結果を得た.1) 分生胞子は10-30℃の間で発芽し, 35℃では発芽しなかった. 最適温度は20℃前後であった. また, 分生胞子は湿度45-100%の範囲で発芽し, 発芽率および発芽管長とも湿度の高低との間に顕著な差異は認められなかった.2) 分生胞子の形成は10-35℃の間で起こり, 最適温度は15℃前後であった. 28℃以上では分生胞子の形成量はきわめて少なかった.3) 発病は15-26℃の間で認められ, 10℃以下および28℃以上では発病しなかった. 発病の最適温度は23℃前後であった. 湿度との関係では, 発病は45-100%の範囲で認められた. 発病に好適な湿度条件は85-95%と考えられ, また湿度100%では発病が抑制された.