著者
戸川 優弥子
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2020-04-24

刺胞動物を餌としているミノウミウシ類の一部は、餌由来の刺胞を体内に貯蔵する「盗刺胞」という現象が見られる。この現象は他の生物の細胞内器官を、そのまま取り込み利用するという点で非常に興味深い。本研究では、盗刺胞を行うムカデミノウミウシの組織切片を作成し、各種の分子マーカーを駆使した顕微鏡観察により、盗刺胞に関連する器官の形成過程を詳細に記載し、盗刺胞のメカニズム解明の足がかりを構築する。さらに盗刺胞のメカニズムを明らかにするため、盗刺胞に特殊化した器官のトランスクリプトーム解析を行い 、そこで特異的に高発現している候補遺伝子を同定し、機能解析を行う。