著者
戸沢 義夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.8, pp.1-7, 2009-06-27

高度 IT人材不足という現実があり,経団連は企業のニーズと大学での教育内容にギャップがあると指摘した.卒業生がどのような仕事をしているかの実態に合わせて大学のカリキュラムを見直すべきである.情報系の大学教員はほとんどが理工系出身で暗黙のうちに製造業ビジネスを意識している.しかし,IT業界はサービスビジネスへとシフトしており,IT 業界で仕事をするにはサービスビジネスを意識した教育が求められる.IT スキル標準や情報システムユーザースキル標準などが整備され,どのようなスキルが求められるかは把握できるようになった.IT 業界は新 3K と言われ学生の求心力を失いつつあるが,これを解決するには個々の企業努力だけでなく IT 業界全体で取り組む必要がある.サービスビジネスがうまく回り仕事をする人がやりがいを感じるようにするための基本を大学で教えることを提案する.Highly IT skilled people are short in Japan. The Japan Federation of Economic Organizations warned that there is a gap between needs of IT service companies and what universities teach. Curriculum should be revised to reflect what graduates are doing in their carrier. IT industry has shifted to service businesses. Most teachers in Japan are implicitly in mind of manufacturing industry. They need to learn IT service businesses. Skills needed in IT industry are well organized in IT Skill Standards or Users' Information Systems Skill Standards. IT industry is losing its attractiveness from student perspective. Students should learn that jobs in IT service business are rewarding. The fundamental of service business is important subject to teach in universities.
著者
戸沢義夫 児玉公信
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013-IS-125, no.4, pp.1-7, 2013-09-05

本研究会 「情報システムの有効性評価」 研究分科会では,情報システムを,人を含む複雑系と見た上での評価手法について 2010 年 9 月より議論を行い,量的評価のためのガイドラインを 2012 年 4 月に公開した.一方,質的評価についても継続的に議論を行い,2012 年 9 月には FIT2012 において質的評価に関するシンポジウムを主催するなど,精力的に活動し,このほど質的評価のためのガイドライン原案をまとめた.質的研究は,これまでの自然科学的アプローチとは大きく異なるものであり,その本質を正しく理解しておく必要がある.原案の内容を説明し,研究発表会参加者からの多くのコメン卜をいただくことで,最終案に反映したい.